2011.04.13 Wed posted at: 11:44 JST
ワシントン(CNN) 米原子力規制委員会(NRC)のヤツコ委員長は12日、事故の深刻さを示す暫定評価が最悪の「レベル7」に引き上げられた福島第一原子力発電所について、事態は「静止」状態だが「安定」状態には至っていないとの見方を示した。上院環境公共事業委員会の公聴会で語った。
ヤツコ委員長は、静止状態は「一日単位で大きな変化はみられない」ことを意味し、安定状態とは「今後何かが起きたような場合、さらに大きな問題が生じる恐れがない」ことだと説明。静止から安定へ移行させ、原子炉と使用済み燃料の冷却能力を長期的に確保するための取り組みが焦点になっていると述べた。
公聴会ではこのほか、地震活動の活発な地域に原発を抱えるカリフォルニア州選出のバーバラ・ボクサー上院議員が、同州住民を守るための安全対策強化を主張。日本が現在のような危機的状況に陥る可能性は非常に低いとされていたと指摘し、どんな自然災害が起きるかを予想することは不可能だと強調した。
また環境保護局(EPA)のジャクソン長官は、米国内で採取した大気や水の検査を続けていると説明。一部地域で放射性物質の濃度がわずかに上昇しているものの、問題となるレベルを大きく下回っているとして、「米国内で有害なレベルに到達したことはないし、今後も考えられない」と述べた。