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2011/04/09

青森県の東通原発と六ヶ所村の使用済み核燃料の再処理工場で外部電源が一時すべて失われた

十分な電源の確保 確認が急務
4月9日 4時38分
7日の夜、東北地方を襲った大地震で、青森県にある東北電力の東通原子力発電所などで送電線からの外部電源が一時すべて使えなくなり、非常用の発電機で冷却する事態となりました。

安全上の問題はなかったとはいえ、先月11日の大震災に続いて、安全上、重要な外部電源が再び失われたことになり、万一に備えた電源の確保が十分なのか、電力会社には、早急な確認が求められます。


外部電源がすべて失われたのは、青森県にある東通原発と、六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場です。

このうち東通原発では、定期検査中で運転していなかったため、燃料プールに保管されている核燃料の冷却が問題でしたが、2系統ある外部電源がすべて失われたあと、非常用の発電機が1台動き、冷却機能が維持されました。

原子力発電所は、万一、外部電源が失われたときでも原子炉などを冷やせるよう、非常用の発電機が原発ごとに2台から3台備えられていて、今回の東通原発の場合も規定どおり動いたため、安全上の問題はありませんでした。

同じような外部電源の喪失は、今回、六ヶ所村の再処理工場でも起きたほか、宮城県の女川原発でも4系統のうちの3系統が使えなくなりました。

いずれも安全に影響はありませんでしたが、先月11日の東日本大震災では東北地方のほとんどの原子力発電所で外部電源が失われ、このうち、福島第一原発では、非常用の発電機も使えなくなり、冷却機能がすべて失われる事態となっています。

福島第一原発の事故を受けて、各電力会社は非常用の発電機が使えなくなった場合のさらなるバックアップ用として、電源車を配備するなどの対策を進めていますが、万一に備えた電源の確保が十分なのか、電力会社には、早急な確認が求められます




余震 東北地方の原子力関連施設への影響は2011年4月8日 20:02
 7日夜に宮城県沖で発生した東日本大震災の余震による、東北地方の原子力関連施設への影響は以下の通り。

 青森・東通原子力発電所では、外部からの電源が遮断され、非常用ディーゼル発電機が稼働した。現在は電源の一部が復旧し、異常はない。

 青森・六ヶ所村の使用済み核燃料の再処理工場でも同じように非常用のディーゼル発電機が稼働したが、現在、外部の電源と接続する作業が進められており、8日のうちにも復旧する見通し。

 宮城・女川原子力発電所でも、外部からの電源3系統のうち一時2系統が遮断されたが、1つが回復し、2つの電源系統で原子炉などを冷やす機能を維持している。また、地震の揺れで使用済み燃料プールの水が床にこぼれたり施設の一部にひびが入ったりしたが、今のところ安全性には問題ないと発表されている。

 福島第一原子力発電所と第二原子力発電所は、ともに設備に異常はないと発表されている。