2011.4.18 19:42
海江田万里経済産業相は18日の参院予算委員会で、福島市に置く政府の原子力災害現地対策本部の本部長が頻繁に交代しているとの指摘を受け「ころころ代わってはいけなかった。おわびする」と陳謝した。
自民党の岩城光英氏が「現地本部長がこんなに代わって責任ある対応ができるのか。現地を軽い扱いにしていないか」と指摘。海江田氏は「3月11日に現地対策本部をつくり、池田元久経済産業副大臣が常駐となったが、報告などで現地を離れた際に24時間詰めないといけないので代わりを任じた。代理ではいけないので、本部長の辞令を出した」と釈明した。
現地対策本部の本部長はこれまで、地震発生後の3月11日から今月18日までの間、池田氏と松下忠洋同副大臣、中山義活同政務官の計3人がのべ6回交代したという。
本部長4回も交代 政府の原子力災害現地対策本部
福島市にある政府の原子力災害現地対策本部の本部長が震災発生から6日までに、4回交代し、県と避難自治体から「責任の所在が不明。国の対応がちぐはぐで遅い要因だ」との批判がでている。
現地本部長は、3月11~15日が池田元久経済産業副大臣、15~29日が松下忠洋同省副大臣、30~31日が池田副大臣、4月1~5日が中山義活経産政務官で、現在は池田副大臣が務めている。
県災害対策本部に本部長が交代する際、連絡はないという。生活環境部の関係者は、農産物の摂取・出荷制限の指示系統をめぐり国の防災基本計画と厚生労働省の方針が統一されておらず県が困惑していることを例に、「現地本部にしっかりとした司令塔がいないため、明確な対応ができていない」と指摘。別の職員は「国は被害に苦しむ現場の状況を理解しようとしていない。中途半端な、まさにお役所仕事」と酷評している。
一方、原発事故で役場機能を移した双葉郡内の町長の一人は、原発事故の情報が素早く伝わっていないと批判し、「陣頭指揮を執る人がころころ代わることが、対応のお粗末さに影響しているのだろう」とあきれ顔だ。
原発事故の際、地元自治体と連携し住民の安全確保に当たる現地本部長は、原子力災害対策特別措置法で副大臣か政務官が務めるとされている。
現地本部の広報担当者は「国会対応などで副大臣、政務官は東京に戻らなければならないケースがある。後任には万全の引き継ぎをしているので問題ない」と説明している。
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政府は福島市に、原発の現地対策本部と別に震災現地連絡対策室を置いている。吉田泉財務政務官(衆院本県5区)が室長として常駐し、避難者支援や復旧に向け首相官邸と調整を続けている。
(2011/04/07 10:24)