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「ARIGATO」文字に感動=機上から発見―復旧支援の米軍指揮官
2011年4月16日10時6分
【ワシントン時事】東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた仙台空港の復旧作業に携わった米軍嘉手納基地(沖縄県)の特殊部隊指揮官、ロバート・トス空軍大佐が15日、ワシントンと電話回線を通じて記者会見した。空港近くの浜辺に、米軍の支援に感謝する「ARIGATO」(アリガトウ)という木を組み合わせた文字を機上から発見した際、「苦境の真っただ中にありながらも、感謝の気持ちを示す日本人に心を打たれた」と語った。
地震発生当時、韓国で演習中だったトス大佐は、戦地の前線への兵力投入を得意とする353特殊部隊を率いて仙台に移動。「戦地や災害派遣経験のある自分にとっても、被害規模は想像を絶するものだった」と感じ、「滑走路のがれきの除去には数週間はかかる」と覚悟した。
しかし、自衛隊との連携で震災から5日後には滑走路のうち約1500メートルを確保し、援助物資の空輸を開始。「悲劇に直面しながらも秩序を保ち懸命に復旧作業に取り組む日本人の姿に感銘を受けた」と述べるとともに、「震災支援を通じて日米同盟はより強固になり、深まる」と力を込めた。
[時事通信社]
東日本大震災:米空軍大佐 「ARIGATO」に感動
【ワシントン海保真人】東日本大震災の人道支援に当たった米軍の「トモダチ作戦」指揮官、ロバート・トス米空軍大佐が15日、当地の報道陣と電話会見。「津波による破壊と荒廃は想像を絶した」と振り返る一方、今月3日に最後に向かった仙台空港の上空から、滑走路近くの海岸に折れた樹木で組まれた「ARIGATO(ありがとう)」の文字を見つけ、「こちらこそ日本の人々に感謝したい」と語った。
木の文字は地元自治体関係者によるもので、津波で折れた松の枝などが使われたという。トス大佐は「被災者を含む日本の人々が懸命に国を復興させようとしている姿に深く感動した」と述べた。
トス大佐は米空軍嘉手納基地(沖縄県)353特殊部隊所属。震災当日の3月11日、韓国で合同演習中だった同部隊は急きょ横田基地(東京)に戻り、被災地へ。浸水していた仙台空港を「救援物資の輸送拠点として最優先で復旧すべきだ」と判断したという。
日米当局間で協議・調整後、同16日に大型輸送機の離着陸を可能にし、燃料や水・食料の大量輸送が本格化。以後約3週間で、米陸軍部隊など約270人が復旧作業に従事、救援物資約1140トンと燃料約5万7000リットルが仙台空港経由で被災地に搬入された。
仙台空港の管制業務は今月1日に日本側に引き継がれ、同13日には旅客便が再開。トス大佐は「日本人の力強さは将来に希望を与えてくれる」と強調した。
毎日新聞 2011年4月16日 18時33分(最終更新 4月16日 19時15分)
浜辺に「ARIGATO」 復旧参加の米大佐「感動」
2011年4月17日0時15分
東日本大震災で米軍が展開した「トモダチ作戦」に参加したトス空軍大佐(沖縄県・嘉手納基地所属)が15日、米ワシントンの記者団と電話で会見した。仙台空港上空を飛行中、浜辺で木を並べた「ARIGATO(アリガトウ)」の文字に気づき、日本人の感謝の心に感動したと振り返った。
大佐は震災後、演習中の韓国から特殊部隊を率いて被災地に入り、3月16日早朝から仙台空港の復旧に自衛隊とともに着手。当初は滑走路に数千台の車両が散在する状態だったが、同20日には輸送機が着陸できる状態まで復旧させた。
「ARIGATO」を目にしたのは、任務終了間際の4月3日。米軍機で同空港に着陸しようとした際、長さ数メートルの木を滑走路近くの浜辺まで引きずっていく人が見えたという。文字は着陸時にしか見えない場所だったといい、大佐は「苦境にあって懸命に働いている人たちが、我々に感謝を伝えようと時間を割いてくれた。逆に日本人への感謝がこみ上げた」と語った。(ワシントン=村山祐介)
おまけ