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2011/04/15

出荷業者「あくまでも『自粛』の時期に数値が下回ったので、自分たちで判断して出荷していたわけで、出荷制限されてからの出荷は一切行なっていない」 県からは特に何も指示はなく、いったい何をもって『自粛』とするのかの判断基準がよく分からなかった」

出荷自粛要請中に野菜が流通

先月、国の暫定基準値を上回る量の放射性物質が検出され、千葉県から出荷の自粛を要請されていた旭市のサンチュが、今月4日に政府から出荷の制限を指示されるまで1週間にわたって出荷され、少なくとも関東などの1都6県で販売されていたことがわかりました。


千葉県では、旭市で先月22日に取れたサンチュを検査したところ、国の暫定基準値の1キログラムあたり2000ベクレルを超える2800ベクレルの放射性のヨウ素が検出されたことから、旭市に対し、出荷を自粛するよう要請しました。

ところが、先月25日に市内で取れたサンチュを旭市が独自に検査したところ、検出された放射性のヨウ素は1700ベクレルと国の暫定基準値を下回ったのを受け、市内に15ある出荷業者の1つがサンチュの出荷を始めたということです。

国はそのあとの今月4日に旭市のサンチュの出荷の制限を指示しましたが、千葉県によりますと、この出荷業者は先月29日から今月4日までの1週間にわたって、大手スーパーのイオンなどに納入していたということです。

イオンの発表によりますと、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、山梨県の57の店舗で、先月30日から今月7日まで、旭市のサンチュ10枚入りのパックをあわせて2200パック販売していたということです。

イオンでは、この事実が判明後に売り場から撤去したサンチュを検査した結果、検出された放射性物質は国の暫定基準値を下回ったとしています。千葉県は「自粛をお願いしていたにもかかわらず出回っていたことは残念だ。

ただ、出荷業者が一定のデータを基に取引先の了解も得ていたということなのでまったく理解できないことではない」と話しています。

一方、旭市で、出荷の自粛が要請されていた時期にサンチュを出荷していた業者、「グリーンファーム」の杉藤和夫社長は、「市が行なった検査で国の暫定基準値を下回ったのを受けて、先月29日から今月4日まで、イオン側と交渉して県内の集配センターにサンチュを1万8600枚ほど出荷したほか、全国の複数の業者とも取引きした。いずれの業者とも互いに了承した上で取引きしていた」と話していました。

その上で、自粛中に出荷していたことについて、「あくまでも『自粛』の時期に数値が下回ったので、自分たちで判断して出荷していたわけで、出荷制限されてからの出荷は一切行なっていないので、とくに問題はなかったと考えている。県からは特に何も指示はなく、いったい何をもって『自粛』とするのかの判断基準がよく分からなかった」と話していました。

04月15日 08時30分