2011年4月15日7時37分
基準を超える放射性物質が検出され、千葉県が出荷自粛を要請していた同県旭市産の葉物野菜サンチュを同市の集荷業者「グリーンファーム」が出荷していたことについて、農林水産省は14日、流通・小売りの全国団体に対し、傘下会社が同社のサンチュを仕入れていなかったか調べるよう求めることを決めた。
農水省は、仕入れていた会社がまだ販売していなかった場合、店頭に並べないように要請。また同様に出荷制限や出荷自粛がかけられた農林水産物を扱わないように求める。
グリーンファームは取材に対し、大手スーパー「イオン」(千葉市)や大阪府、広島県など各地の小売店など計十数社に出荷したと明かした。だが、出荷自粛を要請していた千葉県の聴取に対しては、出荷先の説明を拒んだという。
大阪や三重にも出荷=自粛要請のサンチュ
千葉県が出荷自粛を要請していた期間に同県旭市産のサンチュが、大手スーパーのイオンの一部店舗で販売された問題で、同市の集荷業者は13日、東京、大阪、三重、広島、島根の各都府県をそれぞれ基盤とする別の小売店6、7社にも同時期にサンチュを出荷したことを明らかにした。
同市産のサンチュについては、千葉県が3月25日に規制値を超える放射性物質が検出されたと発表。4日後に公表された旭市の調査結果では規制値を下回ったため、この業者は3月29日から4月4日までサンチュを販売したが、この間も県は自粛要請を続けていた。
業者は「自粛要請は知っていたが、小売店の担当者と協議し、商品に問題はないと判断した。なぜ非難されるのか」と発言している。
この業者は、サンチュのほかにルッコラやミツバなども扱っており、年間売上高は約1億円。このうち、イオンとの取引が4割程度を占める。同社との取引は完全に止まり、「このままなら商売をやめるしかない」と話している。(2011/04/13-21:56)http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041301002&m=rss
東日本大震災:旭産野菜販売 県「出荷は残念」 県内ではイオンなど23店舗 /千葉
放射性物質が国の暫定規制値を一時超え、県が出荷自粛を要請していた旭市産の野菜のサンチュが、関東地方のイオンやマックスバリュで売られたことが分かり、県内でも波紋が広がっている。県は13日会見し、「自粛をお願いしていたのに出荷されたのは残念」と話した。
イオンによると、販売していたのは県内ではイオンノア店▽マリンピア店▽鎌ケ谷店▽鎌取店▽高根木戸店▽成田店▽千葉ニュータウン店▽大網白里店▽津田沼店▽東金店▽柏店▽八千代緑が丘店▽富津店▽木更津店と、マックスバリュおゆみ野店▽習志野台店▽松ケ崎店▽木更津太田店▽辰巳台店▽東習志野店▽野田七光台店▽ユーカリが丘店▽木更津請西店--の23店舗。
問題のサンチュを卸した集配業者への県の聞き取りによると、イオン系列以外にも小売店数店に卸しているというが、具体的な卸し先は不明。卸した理由について「自粛は法的な強制力はない」などと答えたという。
県は農林水産省から7日、旭市産のホウレンソウとサンチュが都内で売られているとの情報を得て、旭市に調査を依頼したが、市からは「出荷されたホウレンソウは八街産」と連絡があり、報告がないサンチュも「八街市産」と思い込み、調査を終えていた。【森有正】
毎日新聞 2011年4月14日 地方版