週刊朝日 4月5日(火)16時36分配信
芸能界やスポーツ界でも、被災地に向けた支援の輪が広がっている。普段から何かと“お騒がせ”のタレント神田うのも、その一人。彼女は、日本赤十字社に義援金1千万円を寄付したことを自身のオフィシャルブログで明らかにしたのだが、これが思わぬところで波紋を呼んでいる。
神田は3月17日、「ご報告」と題したブログで、
「可能な限り援助したいという気持ちを母親、税理士に相談した上で決めた」
と綴った。しかし、経済産業省関係者が苦笑してこう明かすのだ。
「実は、うののパパ、神田淳さん(65)は有名な原発推進派の旧通産省(経産省)キャリアです。資源エネルギー庁の原子力発電安全管理課長だった86年、チェルノブイリ原発事故が起き、原発安全確保政策をまとめ上げて一躍、名を上げた人です。米国スリーマイル島原発事故(79年)の際は同庁安全審査官で、事故を教訓にした52項目の安全対策を原子力安全委員会でまとめた。つまり、いまの原発政策を推し進めた当事者の一人です。娘の義援金は、その“罪滅ぼし”の意識でもあるんじゃないかと、思ってしまいますよ」
当時、省内で配られた「幹部プロフィール」なる冊子には、“うのパパ”の活躍ぶりが記されていた。
〈(チェルノブイリ事故で)神田課長の活躍ぶりも目ざましかった。対応が素早く、確実で、リーダーシップを発揮して、着実に対策を進めた。情報の収集、国際会議への出席などのかたわら「二十一世紀に向けての原発安全確保策」をまとめ、国内の原発立地地区にも出向いて、安全性の説明、講演などをつづけている〉
経産省職員が呆れながら言う。
「実はこの冊子、原発礼賛発言がてんこ盛りなんです。エネ庁幹部の『ディズニーランドみたいな原子力のPR館をつくりたい』なんてトンデモ発言も、当たり前のように掲載されてます」
そんな父親なのだから、神田自身、原発問題について高い意識を持っているのだろう。本誌は、所属事務所に、義援金に込めた思いについて問い合わせたが、「ブログで書いていることが気持ちのすべて」との素っ気ない返事が返ってきた。
そのブログによると、
〈第二弾、第三弾と、また自分に出来る事を、していきたいと思っております〉
とのこと。
被災者のために大いに期待しています。
最終更新:4月5日(火)16時36分