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2011/04/01

福島原発から5キロの町で見つかった被曝した遺体を県警が収容

高放射線でいったん断念、遺体収容作業を実施
 福島県警は1日、福島第一原発から半径10キロ圏内で発見した遺体について、放射線量が高いとして断念していた収容作業を行った。


 遺体は27日、原発から約5キロの大熊町で発見された。遺体表面の放射線量が全身の除染が必要となる基準を超えていたため、収容作業をいったん断念。厚生労働省が31日、高い放射線量が検出されても、衣類を脱がせて全身を除染すれば問題ないとの通知を各都道府県に出したため実施した。

 この日は、防護服を着た機動隊員らが線量を確認しながら搬送。福島第二原子力発電所で線量を測定した結果、基準を下回っており、汚れを落として遺体安置所に運んだ。

(2011年4月1日21時29分 読売新聞)






被ばく遺体収容、除染など県警が基準
2011年04月02日 11時41分配信
大熊町で3月27日に男性遺体が見つかったものの放射線量が高く収容できなかった問題で、県警は被ばくした遺体の収容基準を設け、1日明らかにした。

県警は同日、遺体を収容し南相馬市の安置所に移した。

県警は原子力安全委員会や厚生労働省などから意見を聞き、被ばくした遺体の取り扱い指針としてまとめた。

高い放射線量が計測された遺体が発見された場合、この指針に従って収容や検視を行う。

指針によると、遺体表面から全身除染が必要とされる「毎分10万カウント(1分間当たりの放射線検出回数)以上」の放射線量を下回った場合、遺体を収容するとしている。

収容後は放射線量に応じて水で遺体を洗い除染する。

10万カウントを超えている遺体は、現場での除染や周辺での仮安置で線量の値を下げて収容する。

大熊町で発見された遺体については1日午後1時半の時点で放射線量が10万カウントを下回っていたため、県警の警察官十数人が収容した。




福島第1原発10キロ以内で男性の遺体収容、避難指示後初
2011/4/2 1:34
 警察庁と福島県警は1日、東京電力福島第1原子力発電所から約5キロ離れた地点から、県警が男性1人の遺体を収容したことを明らかにした。3月12日に同原発から20キロ圏内に避難指示が出て以来、同10キロ以内の場所からの遺体回収は初めて。

 福島県大熊町に遺体があるとの具体的情報を受け、福島県警は先月27日にも回収を試みたが、遺体の放射線量が除染の必要な基準を超えていたため一時断念していた。この日は厚生労働省の示した基準に沿って測り直し、同基準を下回っていることを確認したうえで、放射線量を下げるため服も脱がして搬送した。

 同原発20キロ圏内では具体的情報があった場合を除き、警察官による遺体捜索は行っておらず、放射線の懸念が収容を阻む一因となっている。福島県警は今後の収容も同省の基準に従い、遺体の服を脱がしたり水で洗ったりして、放射線量が毎時10マイクロシーベルトを下回っていることを確認してから行う。