【北京=佐藤賢】フランスのサルコジ大統領は30日、中国を訪問し、北京で胡錦濤国家主席と会談した。リビア情勢を巡り意見交換し、胡主席はフランスなど多国籍軍によるリビア攻撃について「武力の使用に賛成しない」と述べ、攻撃の即時停止を要求した。そのうえで「武力では問題は解決せず、事態を複雑化させるだけだ」と語り、対話による解決を呼び掛けた。
胡主席は核の安全管理に関する協力強化も呼び掛けた。国際通貨制度の見直しにも言及し、新興・途上国の発言力を拡大する形での改革の必要性を訴えたもようだ。
胡主席 リビア問題の平和的解決を主張2011-03-30 21:22:22
胡錦涛国家主席は30日、北京でフランスのサルコジ大統領と会談しました。
その中で、胡主席は「中国はリビアの緊張情勢を緩和させるためのすべての政治的な努力を支持する。関係各側は即刻停戦し、問題の平和的解決を求め、民間人死傷者の拡大を回避し、リビア情勢の安定を取り戻すために努力するべきだ」との立場を強調しました。
フランスとの関係推進について胡主席は「両国はハイレベル訪問を維持し、政治的相互信頼を深め、経済、貿易、航空など伝統分野における協力を強化し、原子力発電所の安全確保をはじめとして、新エネルギー、新材料、循環経済など新興産業においても協力の拡大を図る他、人文交流も推進していくべきだ」との考えを示しました。
これに対し、サルコジ大統領は「フランスは中国との友好協力関係の拡大を非常に重視し、中国が国際社会において不可欠かつ重要な力になったことに喜びを感じている。われわれは国際通貨体制改革について中国との意思疎通をたもち、この11月にカンヌで開催される主要20カ国・地域(G20)首脳会合への胡主席の出席を期待している」と述べました。
リビア情勢について、サルコジ大統領は「われわれも政治的な外交交渉によるリビア問題の解決を希望する」と述べました。(ジョウ&中原)