(03/20 05:51)
原子力安全・保安院は、福島第一原発3号機の使用済み燃料プールについて、「一定の安定状態を見せている」という見方を示しました。
3号機では、19日から東京消防庁による放水が行われていました。原子力安全・保安院は、敷地内の放射線量が放水開始から7時間後の午後9時に約500マイクロシーベルト低下したことなどを挙げ、使用済み燃料プールが「一定の安定状態を見せている」として、状態のさらなる改善に期待を示しました。
3号機への放水は、20日午前3時40分まで13時間半以上続けられました。20日は、午前7時から自衛隊が4号機への放水を始める予定です。一方、19日までに外部からの電源の接続が完了した1号機と2号機については、20日にも冷却ポンプや測定器などに電気を通す見通しです。さらに、5号機は19日に冷却機能が回復し、使用済み燃料プールの水の温度が順調に下がっていることが確認されています。
※放水映像「18日/撮影・陸上自衛隊」
3号機に放水後 放射線量減少3月20日 5時17分
使用済み燃料の冷却機能が失われ、深刻な状態が続いている福島第一原子力発電所の3号機は、19日、東京消防庁による放水が始まったあと、周辺の放射線の量が減少傾向にあることが分かり、原子力安全・保安院は「放水で一定の安定状態を保っている」としています。
福島第一原子力発電所の3号機は、使用済み燃料プールの冷却機能が失われて燃料が露出し、外部に大量の放射性物質が漏れ出すおそれのある状態が続いています。
このため、19日午後2時すぎから、東京消防庁が無人の放水車を使って、断続的に20日午前3時40分まで放水しました。
経済産業省の原子力安全・保安院によりますと、3号機から北西におよそ500メートル離れた地点で測定した放射線の量は、19日午後9時に2906マイクロシーベルトと、放水が始まる前より500マイクロシーベルト余り下がるなど、減少傾向にあることが分かりました。
これについて、原子力安全・保安院は「放水の効果はもう少し分析してみないと分からないが、放水によって一定の安定状態を保っていると思う」と述べ、放水を続ければ燃料プールの状態はさらに改善するという見方を示しました。20日は、4号機でも、使用済み燃料プールを冷却するために自衛隊が放水を行うことにしています。