2011年3月15日11時20分
福島第一原発の事故で飛散したとみられる放射性物質が15日午前、風に乗って全国各地で観測されている。福島県いわき市では通常の400倍ほどの放射線量を観測。また、茨城県北茨城市や東京都新宿区、神奈川県横須賀市などでも通常よりも高い値を観測している。ただ、各都県はすぐに健康に影響を与えるものではないとしている。
いわき市では、15日午前4時に1時間あたり23.7マイクロシーベルトを測定。この値の線量を1日浴び続けた場合の人の被曝(ひばく)量は胃のX線検査で受ける量に相当。県生活環境部は「ただちに健康に影響を及ぼすものではない。冷静な対応をお願いする」と呼びかけた。
茨城県北茨城市では午前0時20分から上昇。午前5時50分には5.5マイクロシーベルトに達した。値は上昇と下降を繰り返している。15日午前中は北東の風が吹いており、原発の南西側に向かって風が吹いている。県は14日起きた福島第一原発などの爆発で放出された放射性物質が風で運ばれてきたとみている。
東京都は15日、新宿区内で同日午前に実施した放射線量調査で、通常の21倍の最大値0.8マイクロシーベルトを観測。神奈川県横須賀市では同日午前5時48分、0.2マイクロシーベルトを観測し、早朝より上昇している。市では「今後上昇する可能性もある」という。
福島 470倍超の放射線検出
3月15日 11時45分
15日朝、福島第一原子力発電所2号機で爆発音があった2時間前の午前4時に、南に40キロ余り離れたところに福島県が設けた線量計が、通常の470倍を超える高いレベルの放射線を検出していたことが分かりました。
これは、15日午前10時すぎから福島市で開かれた県の災害対策本部の会議で報告されました。それによりますと、現場から南に40キロ余り離れた福島県いわき市に県が設置した線量計では、14日夜、福島第一原子力発電所2号機で原子炉を覆う格納容器から空気を抜いて圧力を下げる作業が行われたあと、15日午前0時ごろから放射線量の数値が上がり始めました。
そして、爆発音の2時間前に当たる、15日午前4時には、ガンマー線に換算して1時間当たり23.72マイクロシーベルトと、通常の470倍に当たる高いレベルに達したということです。その後、数値は下がる傾向になったということですが、爆発音のあとの午前6時以降のデータはまだまとまっていないため、福島県では、今後の数値を注意深く見守っていきたいとしています。