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2011/03/14

イルナー通信 『ドイツZDF放送の記者が、「IAEA国際原子力機関の天野事務局長は、日本の原子力発電所に関する報告の提示において、日本寄りの立場を示している」と非難した』

原発事故で、IAEA事務局長の日本寄りの立場に非難
2011年 3月 14日(月曜日) 17:11
ドイツZDF放送の記者が、「IAEA国際原子力機関の天野事務局長は、日本の原子力発電所に関する報告の提示において、日本寄りの立場を示している」と非難しました。

イルナー通信が伝えたところによりますと、ドイツの公共放送・ドイツ第2テレビZDFの記者は、「天野事務局長は、最近の地震の後の日本の原発の状況に関して、批判的で正確な報告や情報の提示を控えている」と述べています。

この記者は、IAEAには、日本の原発で起こった事件について正確な情報を提示するよう日本政府に圧力をかける手段はあるのかとの問いに対して、「IAEAは何の手段も持っておらず、日本が自発的に提示する情報を頼りにするだけだ」と述べました。

この記者はさらに、「IAEAは、2007年にも、日本に対して同様のことを経験した。そのときも、随分時間が経ってから、ごくわずかな事実を含んだ報告がIAEAにもたらされた」と述べました。




IAEA、原発事故への見解表明へ 専門家派遣など準備
2011年3月14日20時57分
【ウィーン=玉川透】国際原子力機関(IAEA、本部ウィーン)は14日、福島第一原発の3号機で「水素爆発があり建屋が爆発したが、格納容器に損傷はなかった」との報告を日本政府から受けたと発表した。天野之弥(ゆきや)事務局長は同日午後(日本時間15日未明)、ウィーンで記者会見し、事故に対するIAEAの見解などを示すとみられる。

 IAEAは引き続き第一原発の状況を注視し、日本への専門家派遣を含む「技術的支援」の準備を進めている。

 IAEAは、2007年の新潟県中越沖地震で被害を受けた柏崎刈羽原発の調査のため、調査団を派遣し調査結果の報告書をまとめた実績がある。

 今回も放射線の影響調査や医療支援、所在不明の放射性物質の回収、緊急対応への助言などの分野で派遣を検討しているが、あくまで日本政府の受け入れ決定が前提となる。関係筋によると、現時点で日本側から正式要請は受けていないという。

 一方、日本側は今回の事故を原発事故の国際評価尺度(0~7)で、放射性物質が放出された1979年の米スリーマイル島原発事故の「5」より1段階低い「4」程度と位置づけている。これに対し、IAEAは「大量の放射性物質の放出が起きているわけではないという意味で、スリーマイル島事故とは違う」(関係筋)と分析。現時点での日本側の評価を「妥当」としている。