3月17日 22時29分
冷却機能が失われ、深刻な状態が続いている福島第一原子力発電所の3号機で、17日、自衛隊などによる使用済み燃料プールへの注水作業が行われました。東京電力によりますと、原発の敷地内で計測された放射線の量は、水の投下の前とあととで、大きな変化は見られず、どの程度の効果があったか、今後、詳しく分析することにしています。
これは、東京電力が、17日夜開いた記者会見で明らかにしました。それによりますと、17日午前中、自衛隊のヘリコプターが水を投下した前後に3号機の北西方向にある免震重要棟と呼ばれる建物で測った放射線の量は▽投下の前の午前9時40分が1時間当たり3782マイクロシーベルト、▽投下が終了したあとの午前10時20分が1時間当たり3752マイクロシーベルト、さらに▽およそ2時間後の午後2時には3810マイクロシーベルトでした。
これについて、東京電力は「大きな変動があるという状態ではないというふうにみている。具体的な評価は今後になるが、水を投下した際に使用済み燃料プールの辺りから量は多くないものの水蒸気が立ち上がるのが見え、注水に冷却効果があることを示すものだと考えている」と述べ、どの程度の効果があったか、今後、詳しく分析することにしています。
ヘリ放水後の放射線量、大きな変化なし 福島第一原発
2011年3月17日22時39分
原子力安全・保安院は17日、東京電力福島第一原発について自衛隊による放水後の放射線量の変化を発表した。
原子炉建屋から北西約500メートル付近で測定。第一原発3号機へのヘリからの放水が終わり、午後1時30分には毎時4.2ミリシーベルトあったが、午後2時には4ミリシーベルトを下回った。
しかし、午後3時50分以降は午後8時10分まで、3.7~3.6ミリシーベルトの範囲で安定。午後7時35分~8時9分に自衛隊の消防車両が放水した効果はまだ確認されていない。
枝野長官「顕著な数字は出ていない」
枝野官房長官は17日夜、会見で、17日午前に行われた自衛隊による福島第一原発3号機への空中からの放水の効果について、「モニタリングを進めているが、顕著な数字は出ていない」と述べたうえで、明確な効果が出ていないことを示唆しました。
「専門家の皆さんからご説明をいただいているところに基づきますと、水がある程度の一定量入っていけば、そのことの効果が外に見えてきますが、まさにある程度の一定量まで入れていくことが重要であるという状況です。そうした中でしっかりとモニタリングは進めている。いまのところ顕著な数字が出てきているという報告は受けていません」(枝野幸男官房長官)
(17日18:59)