(03/20 01:09)
福島第一原発では、東京消防庁による放水作業が現在も続いています。19日未明の放水にあたったハイパーレスキュー隊の隊長らが会見し、現場の様子を語りました。
ホース延長作業をした高山幸夫総括隊長:「(Q.大変だったこと)今回は目に見えない敵と戦う恐怖心もあった。いかに隊員を短い被ばく時間で活動させるか、細心の注意を払った。仲間のバックアップがあったからこそ、任務が遂行できた」
現場で指揮を執った佐藤康雄警防部長:「(妻に)『福島原発に出動する』とメールしたところ、『日本の救世主になってください』という1行がメールで返ってきた」
現場で活動方針を決めた冨岡豊彦総括隊長:「隊員は非常に士気が高いので、皆、一生懸命やってくれた」
「見えない敵」「ミッション達成」=恐怖克服、安全確保-原発放水・東京消防庁
「見えない敵と戦う」「ミッションを達成」。東京電力福島第1原発3号機への放水をした東京消防庁の緊急消防援助隊の第1陣が19日夜、帰還。総隊長の佐藤康雄消防司監ら3人が東京都千代田区の同庁で記者会見し、恐怖と緊迫の状況を報告した。
同庁によると、現場の路面状況が悪く、予定になかった車両外での作業を強いられるなど難航。隊員も防護服着用に普段より手間取るなど緊張し、絶えず放射線量を測定しながらの作業だった。
白煙が上がっていた場所を目掛けて放水したところ、直後に放射線量がゼロに近い値に低下したため、燃料プールに命中したと判断したという。
佐藤消防司監は「隊員の安全を確保し、連続して大量の水をプールに放水するミッションを達成できたと思う」と語った。
さらに「放射能という見えない敵と戦う恐怖心を克服した隊員に、敬服の念を抱いている」と振り返った。
「福島原発に行ってくるよ」。佐藤消防司監は派遣要請を受け、妻にメールを打った。返信は1行で、「日本の救世主になってください」だった。「帰ったら、ゆっくり寝たい」。涙を浮かべ、笑顔でつぶやいた。
特殊車両で放射線量を測定した冨岡豊彦隊長は「大変だったのは」と問われ、「残された家族」と答えて沈黙。目を真っ赤にし、ほおを震わせ、「隊員は士気が高く、一生懸命だった。残された家族に、おわびとお礼を申し上げる」と言葉を絞り出した。
3号機の間近で放水をした高山幸夫隊長は「仲間のバックアップがあったからできた」と断言。「出発前、『必ず帰る』とメールをしたら、妻から『信じて待ってます』と返信があった」と明かした。(2011/03/20-01:29)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011031900471
大量被ばくの恐怖の中福島第一原発で放水活動を行った隊員の会見 前半
大量被ばくの恐怖の中福島第一原発で放水活動を行った隊員の会見 後半