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2011/03/20

首都圏の外資系企業などが社員の避難先として各地の貸しオフィスやホテルをまとめて予約

大阪、首都圏の社員避難で満室続出
2011.3.20 01:34



 福島第1原発の事故や東京電力の計画停電の影響を懸念し、首都圏の外資系企業などが社員の避難先として各地の貸しオフィスやホテルをまとめて予約、大阪市内でも満室になるところが相次いでいる。移転先が見つからず「宴会場を使いたいという相談もある」(市内のホテル)とされ、各社の窮状がうかがえる。

 レンタルオフィスの「サーブコープジャパン」(東京)は、15日ごろから首都圏の企業の問い合わせが急増。「9割以上は外資系」(同社)という。現在、大阪・名古屋・福岡の拠点はほぼ満室。同社は2~5人用の部屋が中心だが「100人以上入れるか?」と大口の注文も入っている。

 短期賃貸マンションのアパルトマン(大阪府吹田市)は、関西の約400戸が3月は満室。利用者は関東のサラリーマンや家族連れが多い。レオパレス21大阪支店(大阪市)の担当者も「関東の企業から『社員を移したいので数百戸用意してほしい』と言われた」と話す。

 地震直後にキャンセルが相次いだスイスホテル南海大阪(大阪市、客室数548室)は、その後、首都圏の20社以上から問い合わせがあり、3月末までほぼ満室となった。新阪急ホテル(同市、922室)も関東の企業の予約などで4月5日まで満室。企業の移転増加に伴い、需要はさらに強まりそうだ。(共同)





大阪のホテルに予約殺到、外資系幹部の避難用か
 東日本で東京電力による計画停電が始まり、被災した福島第一原子力発電所から放射性物質が飛散する可能性が高まって以来、首都圏の企業が大阪市内のホテルをまとめて予約する動きが出ている。
 実際に宿泊するのは一部にとどまっているようだが、予約で満室になるホテルも多い。特に、外資系企業が幹部を避難させたり、大阪での業務の比重を増やしたりするのに利用する例が多いようだ。

 スイスホテル南海大阪(大阪市中央区、548室)では、14日から宿泊の予約が増え始め、20日までほぼ満室だ。外資系企業の日本法人などが、社員やその家族のために複数の客室を予約するケースが多く、60室を2週間予約した企業もある。

 ホテルグランヴィア大阪(同市北区、648室)も週末まで全室が予約で埋まっている。20~30室を長期で取るケースが多い。東電の計画停電で業務が滞ることへの懸念が強いのか、「大阪に大規模な拠点を持たない企業の利用が目立つ」(ホテルグランヴィア大阪)という。ホテル阪急インターナショナル(同、168室)も今週いっぱい満室で、市内最大規模の973室を持つリーガロイヤルホテル(同)も長期宿泊に関する問い合わせが増えているという。

 あるホテルの担当者は「特に外資系企業は、放射性物質の飛散への警戒感が強いのか、本国からの指示で予約しているケースも多そうだ」と話している。

(2011年3月18日15時51分 読売新聞)




「疎開」家族でホテル満室 首都圏離れ「休みたい」
2011年03月19日(土) 14時58分 共同通信社

福島第1原発事故への不安、長引く停電や物不足などの不自由にたまりかねて首都圏から名古屋、大阪、福岡など遠隔地のホテルに「疎開」する家族が増えている。「この連休だけでもゆっくりしたい」という短期組から、1週間滞在予定の人まで期間はさまざま。週末は多くのホテルが満室となっている。

18日深夜の新大阪駅。東京からの新幹線最終電車が到着した駅構内には、大きな荷物を抱えた家族連れや、ベビーカーを押す女性の姿が目立った。スーツケースを引いていた東京都江東区の男性会社員(42)は「余震や停電で気が休まらなかった。たまった疲れを取りたい」と急ぎ足。先に来ている家族と合流し、3連休を大阪市内のホテルで過ごすという。

ホテルに着くなり、安堵の表情を見せる家族も多い。アパヴィラホテル京都駅前(京都市下京区)では、小さい子どもを連れた母親が「原発や余震が不安で…」とフロントで息をついた。「もし空き室があれば連休の後も予約できるか」と訪ねる客もいるという。

札幌グランドホテル(札幌市)や東急ホテル名古屋(名古屋市)でも長期滞在する首都圏からの家族連れが目立つ。どのホテルも地震直後にキャンセルが相次ぎ、15日前後から新規の予約が一気に増えた。博多グリーンホテル(福岡市)でも予約が増え、週末はほぼ満室だという。