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2011/03/30

日本造血細胞移植学会 : 原発作業員が大量に被ばくし、造血幹細胞の移植が必要な事例が起きた場合には「あらゆる協力を行う」

造血幹細胞移植に全面協力-学会が声明、「効果は限定的」とも
医療介護CBニュース 3月30日(水)19時24分配信

 日本造血細胞移植学会は3月29日、福島第1原子力発電所の作業員が大量に被ばくし、造血幹細胞の移植が必要な事例が起きた場合には「あらゆる協力を行う」とする声明を発表した。ただし、移植の効果は「血液毒性の修復に限定されたもの」とも指摘している。


 声明では、原発作業員が大量に被ばくし、造血幹細胞の移植が必要な事例が起きた場合には全面的に協力する意思を表明。全国95施設が移植に対応可能だとしている。

 ただし、造血幹細胞の移植の効果については、「血液毒性の修復に限定されており、他の臓器の障害を救済するものではない」と指摘し、全面的に危険な作業を可能とするものではないと強調。自己造血幹細胞を保存してまで作業に従事させることなく、作業員の人権と安全に十分に配慮するよう強く求めている。
 その上で、造血幹細胞の採取・保存について「医学的、社会的妥当性を検討した上で協力する」との考えを示している。採取・保存には、全国107施設が対応可能だという。

 造血幹細胞をめぐっては、国立がん研究センターや虎の門病院などが、大量に被ばくして造血機能が低下しても自分の造血幹細胞を移植すれば救命できる可能性があるとして、事前に採取・保存しておくことを提案している。

最終更新:3月30日(水)19時24分