枝野幸男官房長官は13日午後3時28分、首相官邸で記者会見し、東京電力福島第1原発3号機について「原子炉内で大量に水素が発生し、建屋の上部にたまっている可能性が否定できない。昨日、1号機で起きた水素爆発の可能性が生じた」と発表した。同原発から半径20キロ圏内の住民には12日夜に避難指示が出ており、枝野長官は「新たな対応をする必要はない。冷静に受け止めていただけたらと思う」と説明した。
枝野長官によると、3号機に自動注水ができなくなったのを受け、午前9時5分に圧力弁を開いて原子炉内の圧力を下げたうえで9時8分から真水の注水を開始したが、注水ポンプにトラブルが生じたため、12日に爆発のあった1号機と同様、海水の注水に切り替えた。その間、「炉心が水没しない状況が生じ、炉心を十分に冷却できず、大量の水素が発生したことが予想される」という。
一方で同原発の放射線量の測定状況について「本日午前10時以降、50マイクロシーベルト前後で安定していたものが午後1時44分ごろから上昇し、1時52分には1557.5マイクロシーベルトに達し、午後2時42分には184.1マイクロシーベルトに低下したという。枝野長官は「仮に爆発が生じた場合でも原子炉本体、圧力容器については問題が生じない状態、そのレベルの衝撃には耐えられる構造になっている。避難している周辺の皆さまの健康に影響が出る状況は生じない」と強調した。
毎日新聞 2011年3月13日 16時02分(最終更新 3月13日 16時48分)
3号機の水位が下降 燃料棒の損傷や炉心溶融の可能性も
2011.3.13 17:50
東京電力は13日、福島第1原子力発電所の3号機で、再度水位が下がり、午後3時時点までの3時間弱の間、から炊きの状況が続き、燃料棒の炉心が損傷したり、溶融の可能性もあることを明らかにした。
3号機は原子炉内を冷却する機能が働かなくなったことに対応し、中性子を吸収するホウ酸を含んだ水を注入。午前11時半時点では、燃料棒の先端が水面下に潜る状況まで回復していたが、午後2時20分には、燃料棒から水位がマイナス2・2メートルに下がり、同3時時点ではやや水位が上昇したもののマイナス2メートルと、燃料棒の先端が突出した状況が続いているという。
午後1時20分から、真水の給水がなくなったことから海水を大量に注入している。同3時時点では水位の改善傾向がみられるが、目に見える効果は低く、東電では事態を注視している。
1号機に続き3号機でも燃料が溶け出る炉心溶融の可能性が高まっている。
また、水素を除去する装置が稼働していないことから、「水素が増えている可能性がある」としており、1号機同様に水素爆発の可能性があることを認めた。
東電 水素取り除く方法を検討
3月13日 17時40分
東京電力は、福島第一原子力発電所3号機について13日、原子炉内で大量の水素が発生したと考えられるとして、1号機と同じように原子炉建屋で水素爆発が起きる可能性があることを明らかにし、これらの水素を取り除く方法を検討しています。
東京電力によりますと、福島第一原発3号機では、13日午前11時半に、燃料棒の上2メートル10センチまであった原子炉内の水面が、1時間半後の午後1時に計測したところ、水位が下がっていて、燃料棒が水面の上2メートルほど露出したということです。
この状態は、少なくとも午後3時まで続いたということで、原子炉を十分に冷やすことができなくなり、大量に水素が発生して原子炉建屋の上部にたまっている可能性があるということです。
このため、12日の1号機と同じように、3号機の原子炉建屋でも水素爆発が起きる可能性があるとして、これらの水素を取り除く方法を検討しているということです。
東京電力は、今回の水位の低下で「一部の燃料が溶けた可能性もある」とみて、原子炉内に海水を入れる作業を続け、水位を確保していきたいとしています。