2011年3月21日0時50分
東日本大震災で被害を出した東京電力福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)では電源復旧作業が進み、東電は20日午後3時46分、ケーブルのつながったした。機器の故障や漏電を調べる作業を実施している。3~6号機へのケーブル接続作業も進んでいる。東京消防庁と自衛隊による放水作業はこの日も断続的に続けられた。
福島第一原発は地震発生から10日目を迎えた20日も、送電線からの外部電源を引き込んで接続する作業が、東京消防庁などによる放水作業の合間を縫って続けられた。
電源の復旧作業が最も進んでいるのは、19日に送電線から構内のタービン建屋にある配電盤まで約1.5キロのケーブルが接続された2号機と、2号機に隣接する1号機。
20日には、原子炉を制御・監視する中央制御室などへ通電する前に、機器や配線に故障や漏電がないかを調べる作業が進められた。外部電源が中央制御室に接続できれば、建物内部に照明がつき、原子炉の状態を示す計器類などが使えるようになる。
東電は「中央制御室の制御盤が使えるようになれば、機器がどんな状態なのか、どこに異常があるのか分析できるようになる」としている。
5、6号機でも、送電線からケーブルを延ばして通電できる状態が目前だ。並行して建物内では、ポンプや配管の弁などが作動するかどうかの点検が進められ、多くが正常に動きそうだという。21日の電源供給を目指す。
東電は20日、5、6号機とも原子炉内の温度が100度以下になる「冷温停止」の状態になったと発表した。この2機はもともと定期検査中で、炉内は冷温停止状態にあったが、震災の後、水温が上昇していた。19日までに非常用発電機2台が使えるようになり、冷却機能が回復したという。
3、4号機も別の送電線からケーブルを敷設する作業が続けられた。しかし、放射線量が高い場所を避けながらケーブルを敷く必要があったために、作業に遅れが生じたという。
一方、敷地内の放射線量のレベルは、16日に3号機から白煙が上がった後に急上昇したが、その後は目立った上昇を見せていない。