2011年 03月 18日 10:25 JST
[東京 18日 ロイター] 野田佳彦財務相は18日、午前7時から行われた7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の電話会談後に会見し、為替市場安定に向け、G7各国が協調介入に参加することで合意した、と述べた。政府・日銀はG7合意に沿って、午前9時から外国為替市場でドル買い/円売り介入を実施した。
野田財務相は「日本が困難な今、G7当局が連帯して市場の安定に向け協調することの意義は極めて大きい」と述べ、「為替レートの過度な変動や無秩序な動きは、経済・金融の安定に対して悪影響を与えること、また、為替市場をよく注視し適切に協力することを確認した」と述べた。
野田財務相によると、介入は日本政府の要請による。対象通貨はドル/円になるとした。G7各国の介入行動は「それぞれの時間帯で、協調して行動する」と語った。日本の介入規模については言及を避けた。
為替市場について野田財務相は「円相場の最近の動きへの対応について、日本当局からの要請に基づき、米、英、カナダ、欧州中央銀行は本日、日本とともに為替市場における協調介入に参加することに合意した」と発表。
大震災で先行き不透明感が強まった日本経済については「日本社会は秩序と平穏を保っており、日本経済は引き続き健全であること、われわれが強い意志をもって状況に対処しようとしていること」を強調したことを明らかにした。
野田財務相によると、電話会談では、東日本大地震の日本経済や市場への影響、金融市場動向について議論した。日本国債購入などについての議論はしていないと語った。
会見に同席した白川方明日銀総裁は「日本銀行としては為替市場におけるG7各国との協調行動が為替市場の安定的な形成に寄与することを強く期待する」と述べ、G7合意の成果を評価した。
そのうえで、金融政策について「強力な金融緩和を推進するとともに、金融市場の安定を確保するために今後とも潤沢な資金供給を行う」方針であるとあらためて表明。
電話会談では、金融市場動向、金融システム動向について説明。「日本の決済システムは震災後のさまざまな困難にもかかわらず、正常を継続している」とし、金融市場における取引も円滑に行われていること、株価の下落にもかかわらず金融界も「自己資本比率の状況からみて健全な状況を続けている」と説明したことを明らかにした。
また、短期金融市場では「金融機関の予備的な資金需要が高まったが、連日未曽有の資金供給を行っていることから落ち着きを取り戻しつつある」とし、資産買い入れを倍増した追加金融緩和をあらためて説明したことを明らかにした。
(ロイターニュース 吉川裕子 伊藤純夫 編集:佐々木美和)