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2011/03/14

名古屋市議選、「減税日本」が第一党に

名古屋市議選:「減税日本」最大勢力に…過半数には届かず



 議会解散請求(リコール)成立に伴う出直し名古屋市議選(定数75)は13日投開票され、リコール運動を主導した河村たかし市長が代表の地域政党・減税日本が28議席を獲得し、議会最大勢力になった。過半数には届かなかったが、他党にも河村市長が掲げる市民税減税や市議の報酬半減などに賛成した候補が多く、市長の政策が前進しそうだ。

 他党の獲得議席は自民19(解散前23)▽公明12(14)▽民主11(27)▽共産5(8)。解散前に第1党だった民主は既成政党批判のあおりを受けて議席を半数以下に減らし、大敗した。

 計138人の候補が16区ごとに定数2~7を争った。全体の投票率は43.96%(前回39.97%)だった。

 2月の「トリプル投票」(名古屋市長選、愛知県知事選、議会解散住民投票)では河村市長の勢力が完勝。減税日本はその勢いをかって前職1人、新人40人を擁立し過半数獲得を目指した。候補者の大半は政治経験がなかったが、市長の人気を生かして有権者への浸透を図った。16区中12区で2人が当選、5区ではトップ当選した。

 地域政党ブームの火付け役となった減税日本の躍進は中央の政局や4月の統一地方選に影響を与えることは必至だ。【高橋恵子】
毎日新聞 2011年3月14日 0時59分(最終更新 3月14日 2時06分)







「減税」躍進、第1党=民主惨敗、第4党に後退-名古屋市議選
 住民投票による名古屋市議会解散に伴う出直し市議選(定数75)が13日、投開票された。市議会リコール(解散請求)運動を主導した河村たかし市長が率いる地域政党「減税日本」が解散前1議席から大きく躍進。目標の過半数(38議席)には届かなかったものの28議席を獲得し、民主党(解散前27議席)に代わって市議会第1党に躍り出た。民主は11議席で解散前の半数にも届かず惨敗。自民、公明に次ぐ第4党へと大きく後退した。

 投票率は、前回(2007年4月)の39.97%を上回る43.96%だった。
 政権与党の民主は、前回衆院選で15小選挙区全勝を果たした「王国」愛知で、2月の県知事選、名古屋市長選に続いて苦杯をなめた。地域政党の躍進ぶりを印象付けた今回の市議選結果は、4月の統一地方選に向け、民主などの既成政党や候補者の選挙戦略に影響を与えそうだ。

 前職1人、新人40人の計41人を公認した減税日本は、全16選挙区でそれぞれ1~2人が当選。民主は推薦1人を含む28人を擁立したが、減税日本の候補に軒並み敗れる形となった。24人を公認した自民は19議席を確保。解散前より2人少ない12人の公認候補を立てた公明は全員当選を果たした。共産は5議席、同市議選初陣で8人を公認したみんなの党は議席を獲得できなかった。 (2011/03/14-00:48)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011031300044





名古屋市議選:河村チルドレン躍進…力量は未知数
 「庶民革命第一歩、今ここに名古屋で始まる」。名古屋市の河村たかし市長が13日深夜、喜びをかみしめた。同日投開票された出直し同市議選(定数75)で、市長率いる地域政党「減税日本」は議会最大勢力に躍り出た。目標の議席過半数には届かなかったものの、28人の「河村チルドレン」が誕生。減税日本の躍進は、4月の統一地方選に挑む首長新党を勢いづけそうだ。

 東日本大震災の犠牲者を追悼して腕に喪章をつけた河村市長は、候補者の当選が決まると、名古屋市東区の事務所の特設ボードに名前を書いたシールを貼り付けた。「46万5000人のみなさんに感謝したい」と議会解散署名をした市民に謝意を示し、「日本で初めて、まったくゼロの政党が過半数(の候補者)を立てて戦った」と選挙戦を振り返った。

 河村市長は「減税日本対増税日本」の対立軸で政治闘争が行われるべきだとし、国政にも影響力を強めたい考え。統一地方選で減税日本は、東京都区議選や静岡市長選などにも公認候補を立て、愛知県議選では河村市長の盟友の大村秀章・愛知県知事の地域政党「日本一愛知の会」と協力し議席獲得を目指す。さらに4月の衆院愛知6区補選での公認候補擁立を検討。民主党の小沢一郎元代表らとの連携も模索する。

 「税金による議員の家業化をストップする。ろくでもない専業議員にはやめてもらわないかん」と13日夜述べた河村市長は、首長新党を立ち上げ、自身の意向に従う議員を送りこむ手法で議会制圧を狙った。河村派が最大勢力になった新議会では、議会が首長をチェックする二元代表制のあり方が改めて問われそうだ

 減税日本の新市議28人のうち27人は初当選。「素人集団」の河村チルドレンが議会をリード出来るかは未知数だ。当初の議会運営は市長がもくろんだようにスムーズにいくとは限らない。「市長対議会」の対立の原点である議員報酬800万円への半減と市民税10%減税恒久化には、他会派との政策的連携が鍵になる。【高橋恵子】

毎日新聞 2011年3月14日 1時43分