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2011/03/20

福島第一原発3号機の原子炉格納容器の圧力が一時設計上の上限に近づく

3号機・原子炉格納容器の圧力上昇 下げる作業実施へ 保安院
2011.3.20 13:09



 東京電力の福島第1原発の事故で、原子力安全・保安院は20日、同原発3号機の原子炉格納容器の圧力が上昇していると発表した。同院では、弁を開放して、圧力を下げる方針で、放射性物質を含む蒸気が外部に放出される可能性がある。




福島原発3号機 格納容器の圧力、一時上限に迫る
 2011/3/21 0:32
 東京電力福島第1原子力発電所3号機は20日、原子炉格納容器の圧力が上昇し、一時設計上の上限に近づいた。減圧のため放射性物質を含む水蒸気の放出を検討したが、圧力はその後「下がる傾向が見られる」(東電)として見送った。一方、使用済み核燃料の過熱を防ぐため東京消防庁などは同夜、3号機への放水を再開した。防衛省・自衛隊は4号機に初めて放水した。枝野幸男官房長官は20日午後の記者会見で、第1原発は廃炉になるとの認識を示した。

 3号機原子炉内の燃料棒の一部は冷却水から露出したままとみられ、温度が上がって水が蒸発し格納容器内の圧力が上昇した可能性もある。東電によると圧力は20日午前7時に3.4気圧に上がり設計上の上限の3.84気圧に近づいたが、午後4時には2.9気圧に下がるなど不安定だ。

 格納容器が壊れると大量の放射性物質が外部に出かねないため、水蒸気を逃して減圧し破損を防ぐ必要がある。水蒸気を水に通せば放射性物質を薄められるが、容器の状態によっては直接大気中に出さざるを得ない。

 一方、東京消防庁などの緊急消防援助隊は19日から20日にかけて3号機の使用済み核燃料プールに連続13時間半、プールの容量を超える2千トン以上を放水。同日午後9時半から再び放水した。約6時間、1千トン程度を見込む。また防衛省・自衛隊は20日、過熱が懸念される4号機の使用済み核燃料プールに消防車から午前と午後に分けて81トンずつ放水した。

 東電は2号機に外部電源を接続する作業を完了。20日午後3時46分に配電装置で受電を確認した。ポンプや冷却システムが正常に動くか確認作業をしている。防衛省は周辺のがれき撤去のため、放射線を防御できる陸上自衛隊の74式戦車2両を現地に派遣した。

 枝野官房長官は20日の記者会見で福島第1原発について、「客観的状況で再び稼働できるかどうかははっきりしている」と述べ、再稼働は難しいとの考えを示した。