3月15日 4時59分
原子炉を冷やすための水が注入できなくなり、燃料棒がすべて露出した状態になったとみられる東京電力福島第一原子力発電所2号機では、15日午前1時すぎから原子炉に海水が注入できるようになりましたが、午前3時現在も水位は回復せず、燃料棒が露出した状態が続いているとみられ、予断を許さない状況が続いています。
福島第一原発2号機では、14日午後11時ごろ、原子炉の中の気体を逃がして圧力を下げるための弁が閉まり、炉の中の圧力が高まったため、原子炉に水を送れなくなりました。
このため、東京電力は原子炉の水位が急激に下がり、燃料棒がすべて露出した状態になっているとみられると発表しました。
その後、15日午前1時すぎになって原子炉内の圧力を下げるための弁を開けることができ、海水を注入できるようになったということですが、午前3時現在も水位は上がらず、燃料棒が露出した状態が続いているとみられるということです。
東京電力によりますと、原子炉内の圧力は上昇しておらず、敷地境界の放射線の値も大きく変化していないことから「すぐに危機的な状況に陥ることはないと思う」と話していますが、予断を許さない状況が続いています。
2号機では、14日もポンプが停止して、原子炉に海水が入らなくなり、午後6時半から2時間20分の間、燃料棒がすべて露出しましたが、その後、ポンプを動かした結果、午後9時半すぎに燃料棒の半分が水につかった状態に戻っていました。
露出した状態が長く続くと燃料棒は溶けるおそれがあり、東京電力は水位の回復を急ぐことにしています。
燃料棒露出の2号機、安全弁解放後も水位上がらず 福島第1
海水での冷却にはなお時間も
2011/3/15 4:53
東京電力は15日午前4時すぎ、燃料棒がすべて露出し危険性が高まっていた福島第1原発2号機について、同1時10分ごろに圧力容器の安全弁の開放に成功したと発表した。
「内部の圧力が下がり海水が注入しやすくなった」(広報部)ものの、同3時時点で水位計は依然として下がったままで、燃料棒の全露出が続いているもよう。配管の破断などで圧力容器とその外側の格納容器がつながっている可能性もあり、海水が燃料棒を満たして冷却することができるようになるまでは、なお時間がかかりそうだ。