2011.2.2 02:00
東証2部に上場していた制御機器メーカー「春日電機」(旧本社・東京都三鷹市)をめぐる特別背任事件で、元社長の篠原猛容疑者(53)が別会社の株でインサイダー取引をしていた疑いがあるとして、東京地検立川支部が近く、金融商品取引法違反の容疑で立件する方針を固めたことが1日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、篠原容疑者は平成18年8月ごろ、自らが設立したソフトウエア開発会社「オックスホールディングス」(港区)が損失を計上するとの内部情報を基に、公表前に同社などの株を売り抜け、損失を回避した疑いがある。
さらに株価が下がった後に買い戻すなどして、1000万円近くの利益を得ていたとされる。
篠原容疑者は11年に同社を設立、取引当時は社長を退任していた。取引には篠原容疑者と知人名義の口座を使ったとみられる。証券取引等監視委員会が昨年12月に自宅などの強制調査に乗り出していた。
◇
立川支部は1日、篠原容疑者が20年6~7月、実質的に経営する産業用機器開発会社「アインテスラ」(中央区)に計5億5000万円を不正融資し、損害を与えたとして会社法違反(特別背任)の罪で起訴した。