イラン海軍の軍艦2隻、スエズ運河を航行中
イラン海軍の軍艦2隻がスエズ運河に入りました。
スエズ運河を管理するエジプト当局者の話によりますと、イランの軍艦2隻は22日火曜朝、スエズ運河に入り、地中海に向けて航行中だということです。
この2隻の艦艇のうち、1隻は排水量3万3千トンの補給船「ハールク」で、もう一隻は排水量1500トンの小型艦艇「アルヴァンド」です。
補給船「ハールク」は、乗組員250人を有し、ヘリコプター3機を搭載することが可能です。
小型艦艇「アルヴァンド」もまた、魚雷と対艦ミサイルを装備しています。
イラン海軍の艦艇は、イスラム革命後、エジプトのムバラク前政権の妨害により、スエズ運河を経由して地中海に航行することが出来ませんでした。
しかし、ムバラク政権崩壊後にエジプトの全権を管轄したエジプト軍最高評議会は、これら2隻のスエズ運河通過というイランからの要請を受け入れました。
イラン海軍は、地中海への艦艇派遣の目的を、友好関係を強化し、平和と親善のメッセージを伝えることだと表明しています。
最終更新 ( 2011年 2月 22日(火曜日) 16:03 )
イラン軍艦船、スエズ運河を通過…地中海に
【カイロ=工藤武人、テヘラン=久保健一】ロイター通信などによると、イラン軍艦船2隻が22日、エジプトのスエズ運河を通過し、地中海に入った。
イラン軍艦船の同運河通過は1979年のイラン革命後初めて。エジプトのムバラク政権崩壊に伴う中東の地政学的変化を示すもので、地域の2大軍事大国であるイランとイスラエルの緊張が高まるのは避けられない。
2隻はフリゲート艦と補給艦とされ、イスラエル沖を通ってシリアに向かう見通し。イラン側は「航海演習」と説明している。
イランの狙いがムバラク政権崩壊直後の混乱に乗じた運河通行の既成事実化にあるのは明白だ。イスラエル海軍当局者は同国紙マアリブに「ムバラク時代なら、エジプトが通過を認めることはありえなかった」と述べた。実際、エジプト当局は昨年6月、イラン船の運河通過を認めなかった。エジプトとイランは79年のイラン革命直後から断交状態が続いている。
(2011年2月23日00時35分 読売新聞)