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2011/02/12

【目黒老夫妻殺傷事件】 自称無職、木村義昭容疑者、事件前後の約9時間の行動に謎が多い

目黒夫婦殺傷:事件前後、謎の9時間…詳細は説明せず




 東京都目黒区上目黒3、無職、大原道夫さん(87)夫妻が殺傷された事件で、殺人容疑などで逮捕された福島県いわき市常磐西郷町、(65)が調べに、事件前後の約9時間の行動を具体的に説明していないことが捜査関係者への取材で分かった。移動経路や動機面には言及し、大原さんへの謝罪の言葉も述べるが、この時間帯の行動に謎が多いとして、警視庁目黒署捜査本部は詳しく調べている。

 捜査本部によると、木村容疑者は事件当日の1月10日午前8時ごろ、自宅近くから高速バスに乗り、昼前に東京駅に到着。JRと東京メトロ日比谷線を乗り継ぎ、大原さん方の最寄り駅の中目黒駅隣の恵比寿駅付近に午後1時から同4時ごろまでいたとみられる。移動時の駅などの防犯カメラには木村容疑者に似た男が映っていたが、恵比寿駅付近の行動は構内の喫茶店に約20分間いた以外は判明していない

 捜査本部は当初、この間に恵比寿駅周辺で事件に使った果物ナイフ(刃渡り約12センチ)を購入した可能性を検討。しかし、周辺の店では同型ナイフは販売していないことが分かり、約3時間分の行動が不明という。

 事件が起きた午後4時40分の後の説明にも空白がある。大原さん方から約300メートル離れた中目黒駅には午後5時ごろ着いたとみられる。木村容疑者は「駅構内のトイレで服装や靴を替え、ニット帽をかぶった」と供述しているが、自宅に戻るために東京駅発の高速バスに乗ったのは午後11時ごろだった。木村容疑者は「バスが来ていたので慌てて飛び乗った」と供述している。

 捜査本部は木村容疑者が追跡から逃れるため、長時間にわたって中目黒駅構内のトイレ個室内にいた可能性があるとみているが、他の時間帯に何をしていたかは、はっきりしないという。

 木村容疑者は「東京の高級住宅街といえば目黒と田園調布というイメージだったが、田園調布は行き方が分からなかった。中目黒は初めて行き、目に付いた家に入った」と容疑を認める一方、「被害者に申し訳ないことをした」と謝罪したという。【山本太一、内橋寿明、小泉大士】

毎日新聞 2011年2月12日 21時19分(最終更新 2月12日 22時05分)











逃走用、服など準備か 目黒殺傷「トイレで着替え」供述
2011年2月12日15時0分
 東京都目黒区上目黒3丁目の無職大原道夫さん(当時87)方で夫妻が殺傷された事件で、殺人容疑などで逮捕された福島県いわき市の自称無職木村義昭容疑者(65)が警視庁の調べに対し、事件直後に上下の服と靴を替え、ニット帽もかぶった、と供述していることが同庁への取材でわかった。「着替えないとすぐばれてしまうと思った」と話しているといい、同庁は追跡から逃れる目的で、事前に着替えなどを準備していたとみている。

 目黒署捜査本部によると、木村容疑者の逮捕容疑は、1月10日午後4時40分ごろ、大原さん方玄関先で、大原さんの腹などを刃物で何度も刺して殺害したなどというもの。

 犯人の男は黒っぽいジャンパーを着ており、犯行後、玄関の外に置いてあったボストンバッグを持って逃走するのが目撃された。

 捜査本部は周辺の防犯カメラの映像から、こうした特徴の男の足取りを追跡。現場から、最寄りの中目黒駅に向かう路上の複数のカメラに似た男が映っていた。午後5時ごろ、中目黒駅の改札を入り、トイレの方向に歩いていくのを最後に足取りは途絶えていた。

 調べに対し、木村容疑者は「中目黒駅のトイレで、ジャンパーとズボンを着替えて靴も履き替え、ニット帽をかぶった」と供述。替えの衣服や靴はボストンバッグに詰めて来ており、それまで身に着けていたものをバッグに入れて、すぐに改札を出てタクシーに乗って東京駅に行った、と話しているという。

 捜査本部は、木村容疑者が着替えのためトイレを使う目的で、中目黒駅の改札内に入った疑いが強いとみており、供述を裏付けるため、当時の防犯カメラの映像を改めて確認している。

 木村容疑者は、その日夜遅く、東京駅からの高速バスに乗って帰宅したと供述。着替えた前後の衣服や靴、バッグなどは、数日のうちにすべて自宅近くのゴミ置き場に捨てたと供述しているという。

 木村容疑者は「大原さんには申し訳ないことをした」と謝罪の言葉を述べているという。