2011年2月8日 02時01分
静岡県熱海市の老舗温泉旅館「熱海岡本ホテル」などを舞台に多額の出資金をだまし取ったとして、警視庁と静岡県警などの合同捜査本部は7日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、会員制リゾートクラブ「岡本倶楽部」の実質的オーナーで指定暴力団山口組系元組員の大東正博容疑者(59)=神戸市中央区八幡通=ら3人を逮捕した。
他に逮捕したのは、ともに同クラブの運営会社「オー・エム・シー(OMC)」(東京都中央区、破産手続き中)元社長の山脇一晃(56)=中央区勝どき=と松永博宣(37)=東京都江戸川区松江=の両容疑者。
逮捕容疑では、3人は共謀して2009年9月~昨年5月ごろ、横浜市の不動産賃貸業の男性ら約80人から、岡本倶楽部の入会費名目で計約3億円をだまし取ったとされる。
捜査関係者によると、岡本倶楽部は入会費の大部分が元本保証され、高利率で運用できるなどとして、05年4月以降、約8千人から200億円以上を集金。合同捜査本部は、集めた金の一部が暴力団の資金源になった可能性もあるとみている。
合同捜査本部は昨年5月、出資法(預かり金の禁止)違反容疑で関係先を一斉捜索していた。
岡本倶楽部は入会費100万~1千万円を預ければ、うち8~9割を占める「施設利用預託金」を5年後に全額返金すると約束。この間、系列11ホテルに宿泊できるポイント券60万~815万円分を発行し、使わなかった場合は、一定割合で買い取るとして会員を募っていた。
入会費100万円の場合、5年後には宿泊ポイント券が60万円分となり、買い取りを利用すれば利息が16万円になると宣伝。複数の会員がポイント買い取りに応じてもらえないなどとして、OMCを相手に損害賠償訴訟を静岡地裁などに起こしていた。
OMCは同6月、債権者らからの申し立てを受け、破産手続きを開始。負債総額は198億円で、ほとんどを入会費が占めた。OMCは06年10月、岡本倶楽部の運営を岡本ホテルシステムズから引き継いでいた。
(中日新聞)
岡本ホテル:グループ元オーナーら逮捕 組織的詐欺容疑
老舗・岡本ホテル(静岡県熱海市)などの温泉ホテルグループを舞台に、会員制温泉クラブの預託金を組織的にだまし取っていたとして、警視庁と静岡、兵庫、福井県警の合同捜査本部は7日夜、岡本ホテルグループ元オーナー、大東(おおひがし)正博(59)=暴力団山口組系元組員▽関連会社元社長、山脇一晃(56)▽同、松永博宣(37)の3容疑者を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)容疑で逮捕した。ほかに営業などにかかわった十数人も逮捕する方針。
大東容疑者らは全国約8000人から二百数十億円を集めたとみられ、捜査本部は資金の一部が暴力団に流れた可能性が高いとみて、巨額詐欺事件の全容解明を進める。
捜査関係者などによると、大東容疑者らは00年ごろに岡本ホテルの経営に参入。その後、全国10カ所に岡本ホテルグループとして温泉ホテルを展開した。05年からは「岡本倶楽部(くらぶ)」の名称で会員募集を始めた。
大東容疑者らの逮捕容疑は、09年9月~10年5月、横浜市の不動産賃貸業の50代の男性ら約80人から岡本倶楽部の施設利用預託金と施設利用料という名目で約3億円をだまし取ったとしている。捜査本部は大東容疑者が事件を主導し、山脇と松永の両容疑者が営業の責任者だったとみている。
大東容疑者らは「預託金を出して会員になれば、全国11カ所のホテルで使用できる宿泊ポイントをプレゼントする」と宣伝。未使用のポイントは一定割合で換金するうえ、5年後には預託金を全額返金すると、元本保証を約束した。例えば、1000万円の預託金を支払えば5年後には最大で1810万円になって戻ってくるとしていたが、捜査本部は、実際には返金能力がなかったとみている。
グループを巡っては、10年ごろから、預託金が返還されないなどのトラブルが続出。捜査本部は同年5月26日、出資法(預かり金の禁止)違反容疑で関係先を家宅捜索。その後の捜査で、当初から組織的に詐取する目的で預託金を集めていた疑いが強まったという。
岡本ホテルグループのうち、岡本倶楽部の会員権を管理販売していた「オー・エム・シー」(東京都中央区)は同6月、債権者からの申し立てを受け破産。オーナーらに預託金の返還を求める訴訟が東京地裁に起こされている。
◇組織犯罪処罰法
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律。暴力団やテロ組織などの団体による組織犯罪やマネーロンダリング(資金洗浄)の防止を目的に00年2月に施行された。組織的詐欺は3条で禁止され、最高刑が懲役10年の刑法の詐欺罪に対し、懲役20年と重い。
毎日新聞 2011年2月8日 1時05分(最終更新 2月8日 1時41分)
熱海の老舗・岡本ホテル元オーナー逮捕 組織的詐欺容疑
2011年2月8日3時0分
静岡県熱海市の老舗ホテル「岡本ホテル」などを舞台に、会員権販売名目で資金集めが行われた事件で、警視庁と兵庫県警などは7日、岡本ホテルグループの元オーナー大東(おおひがし)正博(59)=神戸市中央区八幡通4丁目=、会員権管理会社「オー・エム・シー(OMC)」(東京都中央区、破産手続き中)元社長山脇一晃(56)=東京都中央区勝どき5丁目=の両容疑者ら3人を組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで逮捕した。
グループの幹部や営業担当社員ら十数人についても同容疑で逮捕する方針。
OMCなどは2005年から約5年間に全国の8千人弱から二百数十億円を集めたとされる。警視庁などは資金の一部が、元山口組系暴力団組員の大東容疑者を経て暴力団側に流れた疑いがあるとみて解明を進める。
ほかに逮捕されたのはOMC元役員松永博宣容疑者(37)=東京都江戸川区松江2丁目。組織犯罪対策4課によると、大東容疑者らの逮捕容疑は、09年9月~10年5月ごろ、OMCなどが事実上破綻(はたん)していると知りながら、「会員になれば宿泊の割引などの特典を受けられるうえ、5年後には預託金の8~9割が返還される」と偽って会員権を売るなどし、約80人から計約3億円をだまし取ったというもの。
大東容疑者は00年ごろ、岡本ホテルの経営に参加。05年4月ごろから「岡本倶楽部」の名称で会員権の販売を始めた。各地の系列ホテルの宿泊に使えるポイントがもらえたり宿泊料金が2割引きになったりする特典があるうえ、未使用ポイントは換金され、5年満期で返済される「預かり保証金」と合わせると預けた額以上が得られる、とうたっていた。
しかし、OMCは途中から資金繰りが悪化。関係者によると、年間10億円単位の赤字が出て、09年9月末時点では実質的な債務超過額が約150億円にのぼっていたという。警視庁はこのころには同社が預託金を返還できない状態になっていたとみている。
会員の一部が10年5月、OMCの破産手続き開始を東京地裁に申請し、地裁は同年6月に決定。また、会員らは、預託金の返還を求める訴訟を各地で起こしている。
警視庁などは10年5月、OMCや系列ホテルなどを出資法違反(預かり金の禁止)容疑で捜索していた。
岡本ホテル元会長ら逮捕 高利うたい預託金詐取容疑
リゾートクラブの会員になれば高利率の資産運用ができるとうたい、高齢者から預託金名目で現金をだまし取ったとして、警視庁と福井、静岡、兵庫県警の合同捜査本部は7日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)の疑いで、ホテル運営会社「岡本ホテルシステムズ」(東京都中央区)元会長の大東正博容疑者(59)=神戸市中央区=ら3人を逮捕した。
同ホテルをめぐる事件は昨年5月26日の強制捜査着手から8カ月半を経て元会長らの立件に発展。2005年以降、全国の約8千人から総額二百数十億円を集めたとみられ、合同捜査本部は資金の一部が暴力団組織に流れた可能性もあるとみて、使途や背景など全容の解明を目指す。
ほかに逮捕されたのは、いずれもグループ会社「オー・エム・シー」元社長の山脇一晃容疑者(56)=東京都中央区=と松永博宣容疑者(37)=東京都江戸川区。
逮捕容疑は、静岡県の「熱海岡本ホテル」など7県で11ホテルを展開し、会員制温泉リゾートクラブ「岡本☆(人ベンに貝の目が組のツクリ)楽部」を運営。09年9月から昨年5月まで、横浜市の不動産賃貸業の男性ら延べ約80人から、岡本☆(人ベンに貝の目が組のツクリ)楽部の施設利用料名目で金をだまし取り、計約3億円の利益を得た疑い。
2011/02/08 01:24 【共同通信】