ページ

2011/01/25

国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏は、チュニジアに倣い、エジプトの民衆も行動を起こすよう呼び掛けていた

エジプト反政府デモ 死傷者も
1月26日 6時36分



 北アフリカのチュニジアで市民の抗議行動によって独裁的な政権が崩壊したことを受けて、エジプトでも過去最大規模の反政府デモが行われ、治安部隊との衝突で、これまでに2人が死亡、多数のけが人が出ており、緊迫した状態が続いています。

 エジプトでは、25日、若者たちがインターネット上で物価の高騰などに抗議する全国一斉のデモを呼びかけ、これにムバラク政権の打倒を掲げる野党勢力なども合流して、過去最大規模のデモに発展しました。
このうち首都カイロでは、デモ隊が「チュニジアに続け」とか「ムバラク大統領はいらない」などと叫びながら、中心部の道路を占拠し、30年近く政権の座にあるムバラク大統領の退陣を求めました。

これに対し、治安部隊が催涙ガスを発射したり、デモの参加者を拘束したりしたため、デモ隊の一部と激しく衝突しました。デモは全国に広がり、治安部隊との衝突で、これまでに少なくとも2人が死亡、多数のけが人が出ています。
カイロでデモに参加した人々は「大学を出ても仕事がなく、この国には失望している」とか「貧しくて日々の食事にも困っている」などと現政権への不満を訴えていました。
チュニジアで市民の抗議行動によって独裁的な政権が崩壊したのに続いて、中東の主要国エジプトでも最大規模の反政府運動が起きたことで、民主化を求める市民の動きは中東全域に広がる勢いを見せています。







エジプト各地で反体制デモ=ムバラク大統領の独裁を批判
 【カイロ時事】エジプトの首都カイロなど各地で25日、民衆運動でチュニジアのベンアリ独裁政権が崩壊したことに呼応する大規模なデモがあり、ムバラク大統領の独裁支配に抗議した。AFP通信によると、治安当局集計でデモ参加者は1万5000人前後に膨れ上がった。治安当局はカイロ中心部だけで2万~3万人の警官隊を動員するなど、デモ拡大に神経をとがらせている。

 エジプトでは、ムバラク大統領の30年近い長期政権が続いている。カイロ中心のデモは数千人規模に達し、参加者は「ムバラク打倒を」「チュニジアが解決策だ」と気勢を上げた。治安部隊は放水や催涙弾の発射でデモ隊を規制した。この日、エジプトは祝日「警察の日」に当たるが、野党勢力はインターネット上などで「懲罰の日」としてデモ参加を呼び掛けていた。

 チュニジアでは、強権支配や言論の自由制限、政権の汚職、貧富の差などへの不満を背景にデモが拡大した。エジプトでも同様の構図があり、民主化を求める民衆行動が波及した形だ。同国出身で、国際原子力機関(IAEA)前事務局長のエルバラダイ氏は、チュニジアに倣い、エジプトの民衆も行動を起こすよう呼び掛けていた。

 デモ隊は、警察を管轄するアドリ内相の辞任も要求。内相はデモに先立ち「器物損壊や違法行為には断固対処する」と述べ、チュニジアのようなデモ拡大は容認しない考えを示した。(2011/01/25-23:50)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011012501033&rel=j&g=int