国会は26日の衆院本会議で、菅直人首相の施政方針演説に対する各党代表質問に入り、自民党の谷垣禎一総裁が最初の質問に立つ。
首相は税と社会保障の一体改革で自民党など野党に協議を呼び掛けたが、谷垣氏は応ぜず、「政権を衆院解散に追い込む」と対決姿勢を強めている。与野党が協議の場を設け、政策論で歩み寄る接点を見いだすのは容易ではない。国会論戦を前に首相は25日夜、首相官邸で記者団に対し、「丁寧に答えるべきことは答える。建設的な議論になることを期待している」と語った。
しかし、自民党は民主党の経済政策を「ばらまき」と批判し、子ども手当や高速道路無料化など主要政策の撤回を要求。民主党が応じなければ、与野党協議の土俵には乗れないとしている。谷垣氏は24日、与野党協議について「解散して信を問うて、その結果から出発しようということだ」と拒否する考えを示し、代表質問でも早期解散を迫る考えだ。
環太平洋連携協定(TPP)交渉参加問題でも首相は「各党の意見を持ち寄り、この国会で議論を始めよう」と提起した。しかし、TPPをめぐっては民主党内の慎重論も強く、谷垣氏は「まず政府の論点を整理することが必要だ」と冷ややかだ。
首相が先の内閣改造で野党陣営から与謝野馨氏を経済財政担当相として入閣させたことも論戦の争点。民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で税金の無駄遣いと天下りの根絶で財源を捻出すると主張しており、谷垣氏は、消費増税論者の与謝野氏を起用したこととの矛盾を突く。
政治資金規正法違反事件で近く強制起訴される小沢一郎民主党元代表の「政治とカネ」の問題に関し、首相は小沢氏に「国会で説明すべきだ」と繰り返している。しかし、小沢氏が通常国会冒頭の衆院政治倫理審査会への出席を拒んだことから、民主党執行部は政倫審での招致議決を断念した。谷垣氏は民主党の一連の対応を批判した上で、証人喚問の受け入れを重ねて要求する。
(2011/01/25-18:46)
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201101/2011012500834