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2010/12/09

北朝鮮と独自の人脈を持つリチャードソンNM知事が16日から訪朝 北朝鮮の金桂官第1外務次官の招請

2010年12月9日13時15分 読売新聞
米知事、16日から訪朝…米政府は報告に期待

 【ワシントン=山口香子】ビル・リチャードソン米ニューメキシコ州知事は8日、北朝鮮の金桂寛(キムケグァン)・第1外務次官の招きで、16~20日の日程で北朝鮮を訪問すると正式に発表した。

 リチャードソン知事は声明で、「(米政府の)メッセージは持参しない」と述べ、私的な立場の訪問であることを強調した。
 クローリー米国務次官補(広報担当)は8日の記者会見で、知事の訪朝について「私的な訪問だ」と述べて、米政府の関与がないことを明確にする一方、「帰国後に報告を期待している」と語った。

 クリントン政権時代に米国連大使を務めたリチャードソン知事は、北朝鮮と独自の人脈を保っており、2009年8月には北朝鮮側が知事に対し、米国と核問題をめぐる直接対話を行いたいとの要望を伝えた。北朝鮮は、今回の知事訪問でも何らかのメッセージを伝達する可能性がある。
(2010年12月9日13時15分 読売新聞)



日経
米政府、訪朝のニューメキシコ州知事に伝言託さず
2010/12/9 11:25


 米民主党重鎮のリチャードソン・ニューメキシコ州知事は16日から20日まで北朝鮮を訪問する。同州政府が8日、発表した。リチャードソン氏は声明で、北朝鮮の韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃で緊迫する朝鮮半島情勢の緊張緩和へ貢献を目指す姿勢を示したが、クローリー米国務次官補は政府のメッセージなどを託さないことを明らかにした。

 リチャードソン氏の訪朝は、核問題を巡る6カ国協議の北朝鮮首席代表を務めてきた金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官の招請によるもの。同氏は国連大使なども務め、オバマ政権の閣僚候補にもなった大物政治家で、北朝鮮とのパイプが太いことでも知られる。知事の任期は12月末で終了するが、北朝鮮側は、延坪島砲撃で国際的孤立を深める中で米側に事態打開のメッセージを伝える可能性もある。

 声明でリチャードソン氏は「北朝鮮が朝鮮半島の緊張を高めていることへの懸念を強めている。緊張緩和に貢献できるならば訪問する価値がある」と意義を強調した。ただ、クローリー次官補は8日の記者会見で「私的な訪問だ。米政府の特定のメッセージは一切携行しない」と述べた。(ワシントン支局)



産経 2010.12.8 13:48
リチャードソン知事が来週訪朝 核問題担当者が招待
 ロイター通信は7日、米政府当局者の話として、北朝鮮と独自のパイプを持つ民主党のリチャードソン・ニューメキシコ州知事が来週、北朝鮮を訪問、同国政府高官と会談すると伝えた。
 米政府当局者は、リチャードソン氏の訪朝は私的なもので、オバマ政権からのメッセージを伝える役割などはないとしている。
 ワシントン・ポスト紙(電子版)によると、クリントン政権時代にエネルギー長官を務めたリチャードソン知事は北朝鮮の核問題の鍵となる担当者からの招待を既に受けた。訪朝すれば、ウラン濃縮や6カ国協議再開などの問題を協議するとみられる。同知事の上級補佐官、トニー・ナムグン氏が今年9月に訪朝している。(共同)



ロイター 2010年 12月 8日 15:03 JST
リチャードソン米ニューメキシコ州知事が来週訪朝=政府高官
[ワシントン 7日 ロイター] 米政府高官によると、ニューメキシコ州のリチャードソン知事が来週、北朝鮮を訪問し、政府当局者らと会談する。
 同高官は匿名で「これは私的な訪問で、メッセージは携えていない」と述べた。
 ワシントン・ポスト(WP)紙は先に、北朝鮮の核開発関係者がリチャードソン知事を招請したと報じていた。
 同知事のスポークスマンのコメントは得られていない。

 ニュー・メキシコ・インディペンデント紙によると、今年に入りチャードソン知事が訪朝の機会を模索したが、この際はカーター元大統領が訪朝し、拘束されていた米国人の解放を実現したと伝えた。
 リチャードソン知事は、クリントン政権で国連大使やエネルギー長官を務めた。今年末で知事の任期が満了となる。



聯合ニュース
ニューメキシコ州知事が「私的な訪朝」、16日から
【ワシントン8日聯合ニュース】米ニューメキシコ州のリチャードソン知事は8日、16日から20日まで北朝鮮を訪問する予定だと明らかにした。北朝鮮外務省の金桂寛(キム・ゲグァン)第1外務次官の招きを受けての訪問で、「わたしはどのようなメッセージも持っていない」と述べ、米政府のメッセージを持たないことを示した。同知事の顧問役を務める北朝鮮専門家、トニー・南宮(ナムグン)氏が同行する。

 リチャードソン知事は、朝鮮半島の不安定を引き起こし緊張を高める北朝鮮の最近の行動に、次第に懸念を感じていると述べた。こうした不安な時期に自身が訪朝することがプラスに働くことを期待すると述べ、訪朝中の積極的な行動を予告した。

 北朝鮮は最近、米国の民間専門家を相次ぎ招請し、ウラン濃縮施設や軽水炉の建設現場を公開するなど、自国の対外姿勢を示すカードとして活用している。先月23日の韓国・延坪島砲撃後では初めてとなるリチャードソン知事の訪朝で、何を伝えてくるかが注目される。

 これと関連し米国務省は、リチャードソン知事の訪朝は私的なもので、政府メッセージは託していないと明らかにした。ただ、最近の状況理解をサポートするため知事と訪朝前に接触し、また訪朝後には知事から米政府に結果報告があると伝えた。

 リチャードソン米ニューメキシコ州知事は、1990年代に2度にわたり特使として北朝鮮を訪問し、拘束されていた米国人の解放に寄与。北朝鮮情勢に精通した人物として知られる。