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2010/12/21

国連安保理、朝鮮半島情勢の声明を事実上断念  米ライス大使「機を逸した」

読売新聞 2010年12月21日10時49分
安保理、北砲撃巡る朝鮮半島情勢の声明見送り
【ニューヨーク=柳沢亨之】国連安全保障理事会の議長国、米国のライス国連大使は20日、記者会見し、朝鮮半島情勢を巡る安保理声明案について、「これ以上議論しても、意味はほとんどない」と述べ、取りまとめを見送る考えを示した。

 ライス大使は「全理事国がまとまらず、残念だ」と語り、19日の安保理会合で中国が北朝鮮の韓国砲撃を非難する文言の挿入に反対したことを暗に批判した。

 同会合では、ロシアが、砲撃を非難しつつ、現場となった島名を明記しない妥協案も提示したが、ロシア外交筋は20日、読売新聞に「(中国との)溝が大き過ぎる」と認めた。韓国外交筋は「声明の議論は終わった」と語った。

(2010年12月21日10時49分 読売新聞)




日経 2010/12/21 8:27
国連安保理、朝鮮半島情勢で声明見送り
 北朝鮮による韓国・延坪島(ヨンピョンド)砲撃で緊迫が続く朝鮮半島情勢を巡り、19日から対応協議に入った国連安全保障理事会は、調整していた報道向け声明のとりまとめを事実上、見送る方向となった。議長を務める米国のライス国連大使が20日、記者団に「これ以上議論をすることは、特に必要でも生産的でもないと思う」と語って明らかにした。

 ある安保理常任理事国外交筋は20日夕、「北朝鮮が韓国の演習に対抗措置を講じない姿勢をみせたことで問題の緊急性が薄れたこともあり、継続協議はしないだろう」と指摘した。北朝鮮への非難を盛り込んだ英国の声明案を支持する日米韓と、それに強く反対する中国との溝が埋まらなかったもようで、メンバー国は当面、この問題の議論をしないことで認識が一致しているもようだ。

 複数の安保理外交筋によると、ロシアと英国がそれぞれ文案を示して始まった安保理緊急会合は19日にいったん物別れとなった後、20日は「中国に本国政府からの指示が届いていない」という理由で再開できない状態が継続。午後に記者団の質問に答えたライス大使は、英国案に「大多数は同意する用意ができていた」としながらも「強い声明を全会一致でまとめることができなかった」と振り返った。

 声明見送りを決断した理由については「少なくとも1つの理事国に本国の指示が届かず、20日には交渉ができていない」「時間の経過とともに、議論する妥当性が大いに薄れた」などと説明。意見集約に協力的でなかった中国への批判をにじませた。

 一方、中国の王民・国連次席大使は20日、国連本部で声明を読み上げ「19日の緊急会合は前向きで大変重要なものだった」と強調。「中国は(北朝鮮と韓国の)両国に冷静で自制を保つよう強く促す」とも主張した。




朝日新聞 2010年12月21日11時15分
北朝鮮非難の安保理声明、米が断念「押し問答続けても」
【ニューヨーク=丹内敦子】米国のライス国連大使は20日、朝鮮半島情勢をめぐる安全保障理事会の緊急会合について、「押し問答を続けても、生産的ではない」と述べ、北朝鮮非難を念頭に置いた声明の取りまとめを断念する考えを明らかにした。国連本部で記者団に語った。

 理事国の中には協議継続を強調する国もあったが、今月の安保理議長国でもある米国が再びこの問題を協議する全体会合を開く考えがないことを示したことで、声明をめぐる調整は事実上失敗に終わった。

 19日の緊急会合では、北朝鮮による大延坪島(テヨンピョンド)に対する砲撃への言及をめぐり、日米英仏などと中国の間で溝が最後まで埋まらなかった。ロシアが北朝鮮への名指し批判を避け、具体的な地名も入れない妥協案を提示。各国が本国に意見を聞いたが、中国だけ返事が届かず、散会になった。

 韓国は20日、同島周辺海域で射撃訓練を実施したものの、北朝鮮は静観する構えを見せており、安保理として早急な対応を取る必要性が薄れたことも、声明取りまとめの機運を減退させたと見られている。