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2010/12/24

高速道路料金新割引制度 休日上限1000円は継続

国交省と民主党、高速道路料金新割引制度で合意 土日祝日の上限1,000円割引継続へ
 国土交通省と民主党が、高速道路料金の新割引制度について合意した。普通車の上限2,000円などに加えて、土日祝日の上限1,000円の割引も継続することになる。

料金制度をめぐっては、国交省が2011年4月以降、平日・休日を問わず、普通車の上限を2,000円とするなどの新割引制度案を民主党に示していた。
しかし、民主党内では「休日に値上げになるのは認められない」との声が高まったため、2011年3月末で期限を迎える土日祝日の上限1,000円の割引を継続することになり、国交省も合意した。

割引の財源は、自民党政権時代に2017年度分までとして、およそ2兆円が確保されているが、これをおよそ2年で使い切ることになり、統一地方選挙を控えたばらまきとの批判も出るとみられる。
(12/24 12:45)



経済ナビ:高速新料金決まる 平日上限2000円 割引財源、2年で限界

 ◇「無料化実験」は拡

 高速道路料金の見直しを巡り、政府・民主党は24日、普通車の上限額を平日2000円とし、土日・祝日1000円の割引を継続することを柱とした新料金の大枠を決定した。政府は当初、1000円割引を廃止する方向で調整したが、党内から「実質値上げだ」との反発が相次ぎ、統一地方選などを見据えた「党利党略」に押し切られた決着となった。今回の割引財源には限りがあり、新料金の実施期間は2~3年程度となる見通し。政権公約の「原則無料化」との整合性を含め、高速道路政策は今後も迷走を続けそうだ。【三沢耕平】

 このタイミングで料金見直しに踏み切るのは、自公政権の時に始めた「祝日・土日1000円」の割引実施期限が来年3月で切れるため。当時は福田政権でETC(自動料金収受システム)割引の大幅拡大を、麻生政権で「祝日・土日1000円」をそれぞれ導入し、財源として合計3兆円を手当てした。当時の民主党は「選挙対策」「一過性のバラマキ」などと批判、原則無料化することが地域経済の活性化につながると主張した経緯がある。

 国土交通省は今年4月、割引制度を大幅に縮小する代わりに普通車2000円の上限制を導入する方針を打ち出し、6月からの実施を目指した。しかし、全体では値上げになるため7月の参院選への影響を懸念する党側の反発を招いて「お蔵入り」に。今回も上限制導入に強く反発する議員の声に配慮し、「祝日・土日1000円」やトラックの割引制度を継続。割引財源には自公政権で手当てした3兆円の残り2兆円を活用するが、その後の財源のめどは立っていない。顧客を奪われる鉄道など他の交通機関からは不満の声が多く、JR東日本は同日、「経営に深刻な影響があり残念だ」とする声明を発表した。

 馬淵澄夫国交相は同日の会見で、今後の無料化政策について「今は財政的な制約があるが、しっかり進めていく」と説明。新料金を導入した後も無料化の対象区間を拡大していく考えを強調した。

 高速無料化は今年6月から37路線50区間を対象に社会実験として実施。財源は1000億円のみで、国交省が要求した6000億円には及ばない。24日に決定した来年度予算も1200億円にとどまり、対象区間を広げるめどはたっていない。今回の料金見直しは無料化政策の行方が不透明な中での議論となり、政務三役の一人は「無料化をどうしていくかの答えが難しい中での検討となり、原則論に立った議論はできなかった」と悔やむ。

 ◇ETC限定なしも検討 エコカー、平日も1000円
 新料金の柱は、普通車を平日2000円とする上限制の導入。国交省によると現在、2000円で移動できる距離は約70キロ。新料金では、例えば浦和-青森(約670キロ)を移動しても2000円で済む。

 トラックについては上限制を採用せず距離別料金とし、通勤・深夜などの時間帯割引を継続。首都高速と阪神高速は定額制から上限のある距離別制(500~900円)にするが、自治体との調整が必要なことから開始時期は来年5月以降にずれ込む見通し。

 政府は普通車やトラック以外の料金については来年1月に決定する方針。これまでの検討案では、本州四国連絡道路は、平日の普通車の上限をほかの高速道と同じ2000円にした上で乗り継ぎ割引を導入。軽自動車とエコカーは「祝日・土日1000円」を継続したうえで、平日も上限1000円とする。

 新料金の対象はETCの搭載車に限定してスタートすることになりそうだが、最終的には搭載の有無に関わらず割引できないかも検討していく。