11月30日 19時0分 NHK
中国を軸に外交の動き活発化
朝鮮半島情勢の緊張が続くなか、外務省の斎木アジア大洋州局長が、30日、北京で、中国が提案した6か国協議の首席代表による緊急会合について中国側と意見を交わしたほか、北朝鮮のキム・ジョンイル総書記の側近も北京入りし、中国を軸にした外交の動きが活発化しています。
アメリカ軍と韓国軍の合同軍事演習が3日目に入り、朝鮮半島の緊張が続くなか、30日、6か国協議の日本代表を務める外務省の斎木アジア大洋州局長が北京に到着し、中国政府で朝鮮半島問題を担当する武大偉特別代表と会談しました。
斎木局長と武特別代表は、中国が28日に提案した6か国協議の首席代表による緊急会合について意見を交わし、斎木局長は、提案の趣旨について説明を求めるとともに、日本として慎重に対処する姿勢を伝えたものとみられ、斎木局長は、30日夜、帰国の途につきました。
また、これに先立って、北京の空港には、30日、北朝鮮のキム・ジョンイル総書記の側近で最高人民会議の議長を務めるチェ・テボク書記が到着し、5日間の滞在中、朝鮮半島情勢をめぐり中国の指導部と協議するものとみられます。
中国外務省の洪磊報道官は、30日の定例の記者会見で、中国が提案している緊急会合について「6か国協議の枠組みの中で、各国の関心事項を適切に解決し、朝鮮半島の平和と安定を維持すべきだ」と述べました。
そのうえで、洪報道官は「中国の提案の出発点は、朝鮮半島の緊張状態を緩和させることにある。対話の場を提供できるよう、各国は真剣に提案を考慮し、積極的な反応を示してくれると信じている」と述べ、中国としては、緊急会合の開催に日米韓の3か国が慎重な姿勢を示すなか、各国との協議を加速させ、妥協点を探りたい考えを示しました。