2010.08.11
借金の担保だった2億円の株券を無断で売り払ったとして背任容疑で千葉県警捜査2課に逮捕された元自民党衆院議員の浜田幸一容疑者(81)。ミニブログ「ツイッター」やテレビ番組で若者にも「ハマコーさん」と支持されていたが、その裏ではモンゴルの金山投資話で約33億円という巨額な借金を作り、金策に駆け回っていたという。事件を取材する全国紙記者に聞いた。
--犯行は2006年の春。このタイミングでの逮捕した背景は?
「まず、時効が迫っていることが考えられる。同時に浜田容疑者をめぐる不穏な動きを複数のテレビ局がキャッチして捜査関係者に取材をしていたので、疑惑が報じられる前に逮捕へ踏み切った」
--取り調べの状況は?
「『答える意志はない』と供述を拒否している。事前の任意の聴取にも浜田容疑者はほとんど応じなかったらしい。高齢での逮捕も県警は『罪状隠滅の恐れがある』と説明している。ただ、きょうから本格的な取り調べが始まるので、何らかの供述をする可能性はある」
--逮捕時の職業が「会社役員」となっているが…
「永田町で自身の講演や出版を管理する『有限会社ハマコー』という会社をやっている。ただ、懐具合は極めて厳しかったらしい」
--被害者となった千葉市稲毛区の産業廃棄物処理会社と浜田容疑者との関係は深いのか
「数十年来の仲だという。今回の一件以外にもこれまで3回、浜田容疑者にお金を貸した。最高は5000万円で無利子無担保だった。この時は返還されたらしい」
--しかし、会社は浜田容疑者を告訴した
「民事訴訟で勝訴したにもかかわらず、『返す、返す』といいつつ、返済しないことにしびれを切らしたようだ。被害者側は『カネはモンゴルに消えた…』と語っている」
--モンゴルへ消えたカネとは一体、何?
「関係者によると、浜田容疑者は2、3年前からモンゴルの金山開発に投資をしていたらしい。結局、立ち行かなくなって金策にかなり困っていたようだ」
--「政界の暴れん坊」として名を馳せた時代もあったようだが
「昨年の衆院選では長男の衆院議員、靖一氏の応援演説を行ったが、つえをついたり、時々、言葉に詰まったりと、かなり体力に衰えがある様子だったと聞いている」