2010/08/10-19:24
借金の担保として差し出した株券を勝手に売却し、融資元の会社に2億円の損害を与えたとして、千葉県警捜査2課などは10日、背任容疑で、同県富津市大堀、元自民党衆院議員で会社役員の浜田幸一容疑者(81)を逮捕した。同課によると、「答えるつもりはない」と供述を拒否している。
逮捕容疑は、千葉市稲毛区の産廃処理会社から2億円の融資を受ける際、担保として差し出した株券を名義変更を理由に同社会長(65)から一時返還してもらい、2006年3~4月、数百株を数回にわたって無断で売却、同社に貸付金2億円相当の損害を与えた疑い。
浜田容疑者は05年6月下旬ごろ、保有する他人名義の株券を担保に融資を受け、同年10月中旬に名義を同容疑者に変更するとして一時返還を受けた。関係者によると、東証マザーズ上場のIT(情報技術)企業、アドバンスト・メディアの株券で、約2億2000万円で売却したとみられる。同課によると、産廃会社会長と浜田容疑者は仕事を通じて知り合い、数十年来の付き合いだという。同容疑者は融資金を一切返済しておらず、今年2月、同社が県警千葉北署に告訴した。
浜田容疑者は同県議などを経て、1969年に旧千葉3区から衆院選に出馬し、初当選した。自民党副幹事長や同党広報委員長などを歴任し、当選7回。国会の名物男として「ハマコー」の愛称で知られた。一方で、不規則発言などが目立ったほか、80年には米ラスベガスのカジノで多額の金を賭けた賭博が発覚し、議員辞職に追い込まれた。93年に長男の靖一氏に地盤を譲り、政界を引退した。
引退後も高額納税者の長者番付に名を連ね、評論家としてテレビ出演するなどしていた。(2010/08/10-19:24)
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