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2010/06/02

鳩山首相 辞任 【読売】

2010年6月2日14時26分 読売新聞

鳩山首相が辞任を表明、小沢幹事長も辞任

 鳩山由紀夫首相(63)は2日午前、国会内で開かれた緊急の民主党両院議員総会で、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題を巡る迷走で社民党の連立政権離脱を招いたことや自らの資金管理団体を巡る「政治とカネ」の問題の責任を取り、退陣する意向を表明した。

 民主党は緊急の役員会と常任幹事会を開き小沢幹事長を含む執行部が総退陣した。総退陣に先立ち、4日に両院議員総会で後継代表を選ぶことや、今国会の会期を延長しない方針を決めた。組閣は週明けとする見方が出ている。鳩山氏の後継選びは、菅直人副総理・財務相(63)らを軸に進む見通し。昨年9月に発足した鳩山連立政権は、8か月半で幕を閉じる。

 首相は両院議員総会で「国民が徐々に聞く耳を持たなくなった。残念でならないし、私の不徳の致すところだ」と述べ、「職をひかせていただく」と辞任を表明した。その理由として、普天間問題と「政治とカネ」の問題の二つを挙げた。





 普天間問題では「沖縄の外に米軍基地を移すために努力した。日米の信頼関係を維持しなければならないという悲痛な思いを理解願いたい」と訴え、「社民党を政権離脱という大変厳しい道に追い込んだ責任は取らねばならない」と語った。また、自身の進退を巡る小沢氏との会談で「私もひきます。幹事長も職をひいていただきたい。そのことによって、新しい民主党、クリーンな民主党を作り上げることが出来る」と求め、小沢氏が「分かった」と応じたことを明らかにした。

 陣営幹部が選挙違反事件で逮捕・起訴された小林千代美衆院議員にも議員辞職を求める意向を示した。

 4日の代表選は、任期途中の代表辞任のため、党員・サポーター投票は行わず、国会議員のみで行われる。代表選日程は常任幹事会で小沢氏が報告した。「小沢氏は短期間で後継を決め、党内最大グループとして影響力を保つ狙いがあるのではないか」との見方が出ている。

 小沢氏は2日昼、国会内で記者団に「自分自身、役割を十分果たし得なかったことを反省している」と語った。「政権与党は政治の空白を作るわけにはいかない。出来るだけ早く次のリーダーを決めないといけないということで、今週中に代表選をして、来週から新しい政権がスタートできるようにした」とも述べた。

 首相に対しては、今夏の参院選で改選を迎える参院議員を中心に退陣要求が強まり、首相は5月31日と6月1日の2度、国会内で小沢氏、輿石東参院議員会長と会談し、自らの進退問題を巡って協議していた。首相はいったんは続投する意向を表明していた。