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2012/03/03

福島第一原発1号機  緊急冷却装置を電源喪失後1時間半で復旧できていれば、炉心溶融を回避できた可能性がある

炉心溶融、回避できた?冷却装置を早期復旧なら
 東日本大震災による津波襲来後に電源を失った東京電力福島第一原子力発電所1号機で、緊急冷却装置を電源喪失後1時間半で復旧できていれば、炉心溶融を回避できた可能性があることがわかった。

 日本原子力研究開発機構の玉井秀定・副主任研究員らの研究チームが分析したもので、福井市で開かれる日本原子力学会で20日発表する。

 冷却装置は「非常用復水器(IC)」と呼ばれ、電源がなくても蒸気などを使って原子炉を冷却できる。政府の事故調査・検証委員会の中間報告によると、電源喪失に伴い弁が閉じたため、復旧には弁を開ける必要があったが、東電幹部が弁の状況を誤認して対策を取らず、事故拡大につながった。

 研究チームが電源喪失後の原子炉の水位や圧力をコンピューターで模擬計算した結果、閉まった弁を1時間半後までに開けていれば、冷却機能が働き、水位が維持されることがわかった。2基あるICは、計16時間作動するとされており、研究チームは「その間に代替の注水手段を確保するなどしていれば、炉心溶融を防げた可能性がある」としている。

(2012年3月3日14時37分 読売新聞)





2012/03/01

【福島第1原発事故から1年】事故調査・検証委員会中間報告書から振り返る(1号機 官邸・保安院 東電)

2012年3月1日 毎日新聞

東日本大震災1年:福島第1原発事故 電源多重化、課題多く ミス複合、事態深刻化

 東日本大震災から間もなく1年。東京電力福島第1原発で起きた炉心溶融事故により、大量の放射性物質が放出された。福島県災害対策本部によると、現在も約16万人が自宅を離れての暮らしを強いられ、大地や海の汚染、農産物被害は依然深刻だ。事故はなぜ起きたのか。被災を免れた他の原発では再稼働に向けた動きが始まっているが、安全対策は万全なのか。福島第1のような事故はもう二度と起きないのだろうか。

2011/12/09

福島第一原発1号機  午後六時すぎ、一時的にバッテリーが復活したのを受け再起動させたが、「IC内の水が不足し、原子炉蒸気が通る配管が破断する恐れがある」と考え直し、その七分後に停止させた

冷却装置作動と誤認 原発事故 聞き取り調査公開
2011年12月6日

 福島第一原発の事故当時、現場の東京電力緊急対策本部が、大津波の襲来後も1号機の非常用冷却装置(IC)は作動し続けていると誤認していたことが六日、経済産業省原子力安全・保安院が情報公開した保安調査の文書で分かった。現場の状況を正しく認識できていなかったことで、事故対応に遅れが出た可能性もある。

 保安院は八月四、五の両日、福島第一原発で、吉田昌郎(まさお)所長(当時)らから聞き取り調査を実施。保安院はこれまで内容を明らかにしてこなかったが、今回、本紙が保安院に対して行った情報公開請求で分かった。

2011/05/17

非常用復水器は古いタイプの沸騰水型原発特有の装置で、同原発では1号機にしかない。2~6号機の冷却装置と違い、駆動用のポンプを必要とせずに冷却できるが、弁の開閉でしか制御できない難点もある。

一部の冷却装置 十分機能せず
5月17日 5時14分
東京電力の福島第一原子力発電所では、1号機で非常用の冷却装置が手動で止められたり、バッテリーが水没して起動しなかったりして一部の冷却装置が十分に機能を果たせていなかったことが分かり、東京電力は、燃料の損傷にどの程度の影響を与えたのか分析を進めています。

東京電力は16日、3月11日に地震が起きてから津波が到達して電源を喪失するまでの福島第一原発の運転状況を示す記録を公表しました。

このうち1号機では、地震で緊急停止したあと午後2時52分に「非常用復水器」と呼ばれる冷却装置が起動しましたが、およそ10分後の午後3時ごろに停止し、津波が到達したあとの午後6時すぎに再起動されるまで3時間にわたって止まっていました

東京電力は、原子炉の圧力が急激に下がったために、運転員が原子炉の損傷を避けようとして手動で停止させた可能性があるとしています。

さらに1号機と2号機では、「高圧注水系」と呼ばれる別の冷却装置も、津波の影響でバッテリーが水没するなどして起動していませんでした。

「非常用復水器」や「高圧注水系」は、すべての外部電源が失われても原子炉を冷やすことができるとされていましたが、記録からは一部の冷却装置が十分に役割を果たせていなかったことが明らかになりました。東京電力は、燃料の損傷にどの程度の影響を与えたのか分析を進めています。