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2013/11/26

【徳洲会マネー】 猪瀬都知事「借用証」を公開するも返済期限も返済方法も押印も印紙もなし

猪瀬都知事:徳洲会から5000万円受領 借用証を公開 辞職は否定

2013年11月26日







猪瀬氏「これ、借用証」ドヤ顔されても…

 東京都の猪瀬直樹知事(67)が徳洲会グループから現金5000万円を受け取っていた問題で、猪瀬氏は26日、都庁で緊急会見を開き、徳田毅衆院議員側に渡したという「借用証」を公開した。文面は徳田氏の氏名、借りた日付、5000万円の額面、猪瀬氏の住所とサインのみ。徳田氏のサインや返済の記録、押印もなく説得力に乏しいものだった。経緯の不自然さを問う報道陣からの質問に明確な証拠も示せず「信じていただくしかない」と発言。疑惑を拭い去れなかったが、進退については続投の意思を明確に示した。

 午前10時から緊急記者会見した猪瀬氏は、「これ、借用書であります」と、右手でA4の白い紙1枚を掲げてみせた。公開された「借用書」の文面は「徳田毅殿 平成24年11月20日 金5000万円也 (猪瀬氏の住所) 猪瀬直樹」というもの。猪瀬氏は「(昨年11月20日に)衆院議員会館の徳田毅事務所を訪問し、毅氏が用意した借用書に、額面とサインを記入したと説明。フェルトペンで書いたような文字だった。猪瀬氏は翌21日に出馬表明した。

 しかし、この借用書には返済期限も返済方法も、押印も印紙もなかった。猪瀬氏は22日、報道陣に対し「返済したことも記載されている」と説明していたが、記載もなかった。猪瀬氏は今年9月26日、秘書を通じて都内のホテルで毅氏の母親に返済し、借用書は後日郵送されてきて、秘書が貸金庫に入れたと説明。しかし、消印などが確認できるような封筒などは公開されなかった。

 借用書の作成日時を立証する証拠も示されず、報道陣からは「最近作ったものではないのか」との質問も。猪瀬氏は「それは誤解、間違いなく原本です」と、はっきりと否定したが具体的な根拠は示せなかった。

 会見での説明によると、昨年11月6日、猪瀬氏は仲介者の民族派団体「一水会」の木村三浩代表とともに、徳洲会鎌倉病院で徳田虎雄理事長に面会。「知事選に出るかも知れない」とあいさつしたという。同月14日には毅氏と木村氏と3人で東京・麻布の和食店で会食。その5日後の19日、毅氏から「議員会館に取りに来てくれ」と電話があり、20日夕方、1人で議員会館に立ち寄り、現金5000万円を受け取り、カバンに入れた。選挙には使わず、貸金庫に保管したという。

 毅氏の母親が借用書について「知らない」としていることについては「僕と毅氏の間で書いたので、(母親は)知らないと思う」と話した。徳洲会が都内で医療機関を運営していることについては「知らなかった」とした。

 会見は1時間以上にわたった。猪瀬氏から金額の提示をしていないか問われると「はい」としたが、誰がいつ提示したかについてはあいまいだった。しかし、進退については「今後、都民、国民、東京、日本のため一生懸命働きたい。東京から国を変えていくことに情熱を持っている。頑張らさしていただきたい」と明確に続投の意向を示した。

 [2013年11月27日9時39分 紙面から]

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20131127-1223693.html