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2013/07/23

東電、汚染水の海洋流出を初めて認める

海に流出、東電認める=福島第1の汚染地下水


 東京電力は22日、福島第1原発海側の観測井戸などで高濃度の放射性物質が検出された問題について、汚染された地下水が海に流出した可能性があると初めて認めた。推定流出量については「解析が必要」として現時点では不明とした。

 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は同日の記者会見で「汚染を外に出さないことを目標にしており、非常に重く受け止めている」と謝罪した。

 東電によると、5月下旬に最初に汚染が確認された観測井戸周辺の地下水の水位と潮位の変化が連動しており、水が行き来している可能性が高いと判断した。

 その上で、濃度の上昇は水中カーテンなどで囲まれた1~4号機取水口付近に限られており、港湾内の他の場所や沖合では濃度に変化は見られないとして、影響は限定的との見方を示した。

(2013/07/22-22:22)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013072200873





東電 汚染水の海への流出認める

7月22日 19時34分

福島第一原子力発電所の海に近い観測用の井戸の地下水から高い濃度の放射性物質が検出されている問題で、東京電力は「地下水が海に流れ出しているとみられる」として海への流出を認める見解を初めて示しました。

海への影響については、原発の専用港の範囲にとどまっているとしています。

福島第一原発では、ことし5月以降、海側の観測用の井戸の地下水で高い濃度の放射性物質が検出され、東京電力で原因や海への影響を調べていました。

ことし1月から今月までの井戸の地下水の水位と、海の潮位、それに雨の量のデータを分析した結果、専用港内の海水と地下水は行き来していて、雨のあと、地下水の水位が下がった分は海に流れ出しているとみられるとして、海への流出を認める見解を初めて示しました。

この問題で国の原子力規制委員会は、今月10日、「高濃度の汚染水が地中に漏れ出したうえで海へ広がっていることが強く疑われる」と指摘しましたが、これまで東京電力はデータの蓄積がないとして、判断できないとしていました。

海への影響の広がりについては、原発の専用港の護岸に近い場所で、放射性トリチウムの濃度が高まっている一方、専用港の出口や沖合では濃度は低く、範囲は限定されていると説明しています。

会見で東京電力の尾野昌之本部長代理は「多くの方々、特に福島の方に心配をかけていることをおわび申し上げます」と述べ謝罪しました。
東京電力は、海への流出防止の対策として、井戸の近くの護岸沿いの地盤を固める工事を進めていますが、工事の範囲をさらに広げて、対策を強化することにしています。


漁業者「非常にショック」
この問題について、東京電力の新妻常正常務から説明を受けた福島県漁連の野崎哲会長は「汚染水についての東京電力の説明は、これまでの説明と状況が変わり、非常にショックだ」と語りました。

また、去年6月から福島県の相馬沖を中心に試験的な漁を実施している相馬双葉漁協の佐藤弘行組合長は「今回の説明を聞いて試験操業はどうなるんだろうと感じた。今まで受けた説明の中で最も厳しいものだ」と話しました。








福島第1原発、地下水放出厳しく 汚染水の海洋流出で  

2013.7.23 00:02

 東京電力が22日、福島第1原発の汚染水の海洋流出を初めて認めた。待ったなしの状態が続く汚染水対策は再び暗礁に乗り上げる可能性が出てきた。東電は汚染されていない地下水を海洋放出する計画だが、汚染水の流出で地元漁協の理解を得ることは厳しくなることが予想される。廃炉を進める最重要課題の汚染水対策は抜本策が見いだせないでいる。

 流出した汚染水は、原子炉建屋の海側にある地下水だ。この地下水がなぜ汚染されているかは不明だが、主に(1)事故直後の平成23年4月に汚染水漏れがあった際の水が地下に滞留(2)地下水が原子炉建屋などを通って汚染され続けている-の2つが考えられる。

 汚染水対策は深刻だ。原子炉建屋には1日に約400トンの地下水が入り込み、放射性物質と混ざり合い、汚染水となっている。東電は事故直後から、地上タンクに汚染水を入れて保管している。これ以外に、地下貯水槽でも保管していたが、土壌汚染が確認され地上タンクへと移っている。

 タンクの容量も限界を迎えており、東電は建屋に地下水を流入させないよう凍土壁を作る計画がある。さらに建屋に流入する前の汚染されていない地下水を海洋に流すことも予定していた。ただ、地元漁協の承諾が得られず海洋放出は見送られたままとなっていた。


 東電は、放射性物質の海洋流出について港湾内のフェンスと防波堤で囲まれた限られた範囲だと説明。港湾全体や港湾外の海洋には影響はないとしている。

 ただ、今回の判断に至った潮位や雨量のデータは今年1月から継続的に取っていた。6月26日の原子力規制委員会定例会で委員が潮位変化による流出の可能性を指摘。東電はそれから本格的にデータの検討を始めたが、1カ月近くたってからの海洋流出の判断は遅いともいえる。

 汚染水が敷地内に増え続けることは廃炉を進めるうえでのリスクで、早急な対策が必要だ。そうした対策を進めるには東電の説明が信用に足るものかどうかにかかっている。速やかな公表と説明責任が東電には求められる。(原子力取材班)


http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/130723/cpb1307230005000-n1.htm




汚染水流出対策で工事=土壌固め、来月まで-福島第1

 東京電力福島第1原発海側の観測井戸で高濃度の放射性物質が検出された問題で、東電は22日、汚染された地下水が海に流出するのを止めるための工事を報道陣に公開した。現場では高い放射線量の中、港の岸壁から陸側に4~5メートルの土壌に水ガラス(止水剤)を注入し、固める作業が続けられていた。


 東電は当初7月末の完了を目指していたが、同原発の小野明所長は報道陣に「(放射線量が高く)過酷な環境で作業が遅れている」と説明、8月10日ごろにずれ込むとの見通しを示した。

 工事は昼間に土壌の状況などを確認し、気温が下がる夜間に実施。12~13人の作業班2班が2時間半交代で、1日計10時間作業する。

 現場は1号機と2号機の取水口の間約90メートルの範囲。取水口やタービン建屋付近には、撤去されたがれきや津波で壊れた機器などが山積みになっている。

(2013/07/22-22:45)

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2013072200569