魚のえらからセシウム排出 東大教授が確認
2012.9.8 20:16海水魚が海水から取り込んだ放射性セシウムを、えらから体外に排出していることを、東大農学生命科学研究科の金子豊二教授(魚類生理学)らが突き止め、東京都内で8日開かれた東京電力福島第1原発事故による農畜水産物への影響についての研究報告会で発表した。海水魚がセシウムをどうやって排出しているのかは、これまで不明だった。
金子教授によると、海水魚は体内の塩分濃度を保つ目的で海水を取り込むが、余分な塩分を排出するえらの「塩類細胞」という細胞から、カリウムも排出していることが分かった。カリウムとセシウムは性質が似ているため、金子教授はセシウムも同じ経路で体外に排出されることを、熱帯魚を使った実験で確認したという。金子教授は「海水魚は積極的にセシウムを排出するメカニズムを持っている。カリウムの代謝回転を早めれば、魚からセシウムを取り除く際の効率を高める技術の開発につながる」と話した。
東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/index.html
第四回放射能の農畜水産物等への影響についての研究報告会
-東日本大震災に関する救援・復興に係る農学生命科学研究科の取組み-
2012年9月8日(土) 13:00~17:00
海水魚におけるセシウムの取込みと排出 [要旨]金子 豊二 (東京大学大学院農学生命科学研究科・水圏生物科学専攻・教授)
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/rpjt/event/2012090804.pdf
参考
JF福島漁連
(1)無脊椎動物のセシウム濃度が低いこと
http://www.jf-net.ne.jp/fsgyoren/yagi_kaisetu.pdf