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2012/09/16

北京・上海でデモ隊、毛沢東の写真を掲げる

反日デモ過去最大規模に 大使館前で一部暴徒化(09/15 17:34)





1万人規模のデモが行われた北京から青木俊憲記者の報告です。

 大使館の門の目の前、デモ隊と数メートルの距離で取材を続けていましたが、デモ隊が日本メディアだと気づくと、罵声を浴びせたり物を投げたりしていました。デモが拡大、過熱した背景には、中国政府が「国民の怒りは理解できる」とデモを容認したこと、メディアがデモの写真を掲載するなど大々的に報じたこと、ネット上のデモ予告もあまり削除されなかったことがあります。デモ参加者は、反日デモを掲げれば何をやっても許されると理解しました。特に長沙では、鉄の棒を手に覆面姿で店に入り込み、貴金属を強奪するという反日デモとはいえない行為まで起きました。

 (Q.中国に滞在する日本人への影響は?)
 普段は日本人でにぎわう通りも人影がありませんでした。日系企業も店内に中国の国旗を掲げるなどの自衛策を講じることしかできない状況です。日本大使館によると、15日午後5時現在、日本人が身体的な被害に遭ったという情報はないが、青島、成都などで日系のスーパーが破壊されたという報告があったということです。

 (Q.今後の中国政府の対応は?)
 中国政府としては、デモが暴徒化し、破壊行為に及ぶことは決して望んでいませんでした。朝刊でも「国家のイメージも損なう国を害する行為だ」と理性的な行動を呼びかける論調が目立っていました。しかし、大量の報道で増幅された反日感情、そして格差への不満の高まりは、当局の予想をはるかに上回るものでした。北京のデモ隊が貧しくても平等だった時代の象徴である毛沢東の写真を掲げていたのは象徴的です。満州事変のきっかけとなった18日は、ただでさえ反日感情が高まるだけに、あるメディアの幹部は、来週以降、報道を抑え、沈静化させるだろうと語っていました。しかし、当局の思惑通りに制御ができないということは証明されています。今後も予断を許さない状況が続きます。






在留邦人5万6000人の上海、家族の一時帰国検討

2012.9.16 19:24
【上海=河崎真澄】6日連続で行われている反日デモは、中国最大の経済都市で、約5万6千人と最多の在留邦人を抱える上海の日本人社会に不安と衝撃を与えている。柳条湖事件から81年となる18日に予告されている大規模デモを控え、日系企業の一部は家族の一時帰国なども検討し始めた。

 「日本人店長を出せ! 直ちに閉店しなければ店内を破壊するぞ」。16日に市内中心部の日本総領事館を包囲したデモ隊の一部は、武装警察に同館への接近を阻まれて移動し、付近の日本料理店や日系スーパーなど警備の薄い店舗に数十人で乱入した。中国国旗や横断幕、毛沢東像などを振りかざしながら、店員や日本人客を威嚇して回った。

 日本人客が追い出された香川うどん店「田野」の中国人女性店長は「当分は臨時休業せざるを得ない」と顔をこわばらせた。日系スーパーへの投石行為はあったが。、上海市内では同日は大きな破壊行為は起きていないもようだ

 上海と周辺地域には8千社以上の日系企業がオフィスや工場など拠点を構えている。貿易商社幹部によると、通常は抜き取り検査のみで通関する輸入コンテナは同日、100%の検査措置が取られた。さらに複数の日系企業が税務当局から、週明け以降、重点的に税務査察を行うと通知されたという。中国当局による対日経済制裁の一環である可能性も指摘されている。