南海トラフ巨大地震
南海トラフ巨大地震 南海トラフと呼ばれる、駿河湾から九州にかけての太平洋沖にあるプレート境界の溝付近で発生することが予測されている地震。マグニチュード8クラスの巨大地震が100~150年間隔で発生している。
南海トラフ沿いで起きる地震として、東海、東南海、南海地震が知られており、過去には連動して発生したこともある。政府の地震調査研究推進本部によると、30年以内に起きる確率は東海地震88%、東南海地震70%、南海地震60%とされる。(2012/08/29-17:14)
http://www.jiji.com/jc/c?g=tha_30&k=2012082900768
南海トラフ地震とは
2012/8/30付▼南海トラフ地震 太平洋の水深約4000メートルの海溝「南海トラフ」沿いで起きる地震。マグニチュード(M)8級の東海や東南海、南海地震が100~150年おきに繰り返し起きており、政府は従来、3地震が連動した場合の被害想定を出していた。東日本大震災を踏まえて内閣府は昨年、さらに広い震源域を設定。3連動地震より大規模のM9級を「南海トラフ巨大地震」と呼んで区別し、新たな被害想定の策定を進めている。
質問なるほドリ:南海トラフではどんな地震が起きるの?=回答・八田浩輔
毎日新聞 2012年08月30日 東京朝刊<NEWS NAVIGATOR>
◇90〜150年間隔でM8級 断層の連動性は予測できず
なるほドリ 南海(なんかい)トラフではこれまでどんな大地震が起きてきたの?
記者 マグニチュード(M)8級の巨大地震が、およそ90〜150年の間隔で繰り返し発生してきました。古文書などの記録では、684年の白鳳(はくほう)地震から1946年の昭和(しょうわ)南海地震まで少なくとも12回確認されています。これほど大地震の記録が残っている場所は、世界に例がありません。
Q そもそも「トラフ」って何?
A 「くぼみ」や「谷」を意味する英語で、この場合は海底の細長いくぼんだ地形のことです。地球の表面を覆うプレート(岩板)がぶつかり合い、一方のプレートが相手側の下に沈み込む場所でこうした地形になります。この動きで、上側にあって下方に引きずられたプレートには、元に戻ろうとする力がたまります。そのエネルギーが限界に達すると地震が起きます。東日本大震災もプレートがぶつかり合う場所で起きました。
Q 毎回同じような地震が起きるの?
A そう単純ではありません。キーワードは「連動性(れんどうせい)」です。江戸時代中期の宝永(ほうえい)地震(1707年、M8・6)は、東海沖から九州沖までトラフ全域の断層(だんそう)が、同時にずれて発生したと考えられています。それから147年後、トラフの東半分で安政(あんせい)東海地震(M8・4)が起き、32時間の間隔を置いて残る西半分で安政南海地震(M8・4)が起きました。最近では1944年の昭和東南海(とうなんかい)地震(M7・9)と、その2年後の昭和南海地震(M8・0)で計2500人以上の犠牲者を出しました。連動の「法則」は残念ながら分かっていません。
Q 100年間隔なら次は2050年ごろってこと?
A 昭和に起きた二つの地震では、駿河湾(するがわん)周辺だけ震源になっておらず、地震を起こす力を150年以上ため続けていると考えられています。いわゆる「東海地震」が「あす起きてもおかしくない」と言われる理由です。それに、トラフで起きる巨大地震の前後には、西日本の内陸でM7程度の地震も起きてきました。トラフの巨大地震が「親分」なら、「子分」のような関係です。子分と言っても阪神(はんしん)大震災に匹敵(ひってき)する規模です。(Mは理科年表を参考にしました)(科学環境部)