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2012/07/16

金正恩の最側近、李英鎬(リ・ヨンホ)朝鮮人民軍総参謀長が「病気」を理由に朝鮮労働党の全ての役職を解任される

金正恩氏の最側近解任 「病気」理由も権力闘争の可能性も

16日の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮労働党は15日、政治局会議を開き、病気を理由に金正恩第1書記の最側近の一人、李英鎬(リ・ヨンホ)党政治局常務委員(69)=朝鮮人民軍総参謀長=を党の全役職から解任すると決めた。

 詳細な経緯は不明だが、李氏は約1週間前に公式活動が報じられたばかり。最近は軍内で崔竜海(チェ・リョンヘ)総政治局長が急速に台頭しているとされ、解任は権力闘争と関連している可能性もある。

 李氏は金第1書記が金正日総書記の後継者として軍を掌握するのを支えてきた。党内序列は5位とみられる。政治局の発表は「政治局常務委員、政治局員、中央軍事副委員長をはじめ全ての職務から解任することを決定した」と党の役職を列挙したが、李氏が軍総参謀長職も解かれたかどうかは不明。

 李氏は2009年2月、軍の作戦実施の責任者である総参謀長に就任。10年9月の党代表者会で、他の実力者を追い抜く格好で党最高指導部である政治局常務委員となり、政治局員や中央軍事副委員長のポストも得た。

 金総書記の実妹である金慶喜党政治局員やその夫、張成沢国防副委員長らと共に、金第1書記の後見役を担ってきたとされ、昨年12月の金総書記の葬儀では第1書記らと霊きゅう車に寄り添って歩いた。しかし、軍を政治的に統制する重要ポストである総政治局長に4月、崔氏が就任してから、影響力の低下が指摘されていた。(共同)

[ 2012年7月16日 08:12 ]






北朝鮮の李英鎬氏解任 党と軍部の対立が原因か

2012年07月16日20時07分
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の最側近とされる李英鎬(リ・ヨンホ)朝鮮人民軍総参謀長が「病気」を理由に朝鮮労働党の全ての役職を解任されたことを受け、韓国政府が神経を尖らせている

   統一部当局者は、李英鎬氏の健康に異常があったことは確認していないと明らかにしており、解任は金正恩体制内の権力争いの可能性が高いとの見方が強まっている。

   李英鎬氏とともに金正日(キム・ジョンイル)総書記の告別式で霊きゅう車に付き添った8人のうちの一人、禹東則(ウ・ドンチュク)元国家安全保衛部首席副部長が3月中旬以降、突然姿を消したことも今回の解任と関連があるとみられている。

   消息筋は李英鎬氏「失脚」について、党の機能回復と経済改革をめぐり、党と軍部が対立した結果の可能性があると指摘する。特に金正恩体制発足後は経済改革に向け張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長の支援を受けた民間出身の崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮人民軍総政治局長と、軍部の権力者である李英鎬氏が対立し解任に追い込まれたのではないかと分析した。

   そのほか、李英鎬氏が軍部を確実に掌握できず、その責任を取らされたとの見方もある。

   韓国政府の一部では韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件を主導した強硬派の金英徹(キム・ヨンチョル)偵察総局長が李英鎬氏の後任に抜擢される可能性を懸念しているとされる。





金正恩氏の最側近、党の要職から解任 権力闘争か

2012/7/16 20:58
【ソウル=内山清行】北朝鮮は15日に開いた朝鮮労働党中央委員会政治局会議で、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の最側近の一人である李英鎬(リ・ヨンホ)党政治局常務委員(69)を党の全役職から解任する人事を決めた。ラヂオプレスが16日の朝鮮中央放送の報道を伝えた。李氏は朝鮮人民軍総参謀長を務める軍の最高幹部。報道は解任の理由を病気としているが、指導部内で権力闘争が起きている可能性がある。
 李氏は故金正日総書記の葬儀で霊きゅう車に寄り添って歩いた「金正恩体制」の中枢幹部。金第1書記が権力を継承する際、軍を押さえる役割を果たしたとみられている。北朝鮮の報道は党政治局常務委員、政治局員などの解任を伝えているだけで、総参謀長の職も解かれたかどうかは不明。

 金第1書記は権力掌握の過程で、抗日パルチザンの子弟で党での勤務が長い崔竜海(チェ・リョンヘ)氏を朝鮮人民軍の総政治局長に登用した。党が金正日時代に力を増した軍への関与を強める狙いがあるとされた。韓国内では「崔氏らと制服組の実力者、李英鎬氏とのあつれきがあった」との見方が出ている。

 今回の人事が権力闘争の結果だった場合(1)軍部の反発など内部抗争が激化するかどうか(2)金正恩体制を支える叔父の張成沢(チャン・ソンテク)国防副委員長との関係(3)対米強硬路線をとってきた軍への党支配が強まることによる外交・安保政策への影響――などが注目点となる。






北朝鮮:正恩氏の最側近、解任 権力闘争失脚か

毎日新聞 2012年07月16日 21時10分(最終更新 07月16日 23時30分)
 【北京・米村耕一】北朝鮮の朝鮮中央通信は16日、朝鮮労働党中央委員会政治局会議が15日に開かれ、李英鎬(リ・ヨンホ)党政治局常務委員を、党のすべての職務から解任することを決めたと報じた。李氏は10年に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が初めて公の場に登場した際、後見役として最高幹部に抜てきされた最側近の一人。解任理由は「病気のため」と説明されているが、北朝鮮の権力中枢で何らかの政治変動が起きているとの見方が韓国などで広がっている。

 李氏が兼任している朝鮮人民軍総参謀長職も解任されたかは不明。病名や後任も明らかにされていない。李氏の動向については、金第1書記が今月8日、平壌の錦繍山太陽(クムスサンテヤン)宮殿を訪れた際に同行したことが報じられたばかりだった。
 李氏は10年9月の党代表者会で金第1書記と共に党中央軍事委員会副委員長に就任。10月10日に開かれた軍事パレードでは金正日(キム・ジョンイル)総書記と金第1書記の間に立って観閲するなど、金正恩体制の中核人物であることを内外に印象づけた。昨年12月の金総書記の葬儀では、金第1書記がひつぎを乗せた特別車の右横先頭に立ったのに対し、李氏は左横の先頭に立つなど、最高幹部の中でも特に高い立場であることを示した。

 北朝鮮は今年4月、党代表者会、最高人民会議を相次いで開き、指導部体制を一新。軍における李氏と同格の地位に崔竜海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長、金正角(キム・ジョンガク)人民武力相がそれぞれ就いた。北朝鮮では常に、同格の幹部が互いに補佐し、けん制する仕組みを取っている。しかし、ここ数カ月は崔総政治局長の現地視察が報じられ、崔氏の地位が高まっているとの観測が広がっていた。このため党官僚出身の崔氏と、軍たたき上げの李氏との間で対立が生まれていたとの観測も出ている。
 韓国の聯合ニュースは「内部の権力闘争が発生している可能性を排除できない」との専門家の分析を伝えているほか、今年70歳になる李氏の解任について「(金第1書記が)世代交代のため、軍指導部再編に手を付け始めた」との見方を報じている。

 北朝鮮情勢に詳しい慶応大の礒崎敦仁専任講師(北朝鮮政治)は「今回の発表だけで、その意味を判断するのは時期尚早だ」と指摘。ただ、李氏は金総書記が生前、金第1書記による後継体制構築のために昇格させた幹部であることから「病気が原因でないなら(新体制が)金正日時代の決定を覆す能力があることを示している」と分析した。