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2012/06/08

オウム 菊地容疑者が偽名として使っていた「櫻井千鶴子」も実在

オウム:「櫻井千鶴子」も実在 住民票不正取得か

毎日新聞 2012年06月08日 02時31分(最終更新 06月08日 02時43分)
 殺人容疑などで逮捕された菊地直子容疑者が「『櫻井』の偽名は97年ごろから高橋克也容疑者と使っていた」と供述していることが捜査関係者への取材で分かった。さらに、菊地容疑者が名乗っていた「千鶴子」さんは実在し、東京都新宿区役所で住民票を不正取得した疑いがあることも分かった。克也容疑者が偽名に使っていた埼玉県の「信哉」さんと「千鶴子」さんの間に縁戚関係はなかった。

 2人の偽名生活は実に15年にも及ぶ。

 昨年10月まで約10年間潜伏していた川崎市幸区のアパートに2人で入居する際にも、高橋容疑者は偽名で契約していたが、契約関係書類の連帯保証人や同居人欄にも不正に他人の名前を記載していた疑いも浮上している。






菊地容疑者の偽名「櫻井千鶴子」も実在

 オウム真理教元信者・菊地直子容疑者(40)が偽名として使っていた「櫻井千鶴子」が実在する女性で、菊地容疑者が住民票を不正に入手していた疑いがあることが7日、分かった。警視庁築地署捜査本部は、すでに住民票の不正取得の疑いが判明している高橋克也容疑者(54)と菊地容疑者の2人が夫婦を装うため、計画的に住民票を取得したとみて調べている。一方、逃亡中の高橋容疑者は、菊地容疑者逮捕を普段は買わない新聞で確認し、逃走していた。

 菊地容疑者も高橋容疑者と同じく、実在の人物の住民票を“パクった”可能性が高くなった。
 捜査関係者によると、菊地容疑者が名乗っていた「櫻井千鶴子」という女性は実在する女性で、1997年ごろに東京都新宿区に居住していたことが分かった。

 すでに、高橋容疑者の偽名「櫻井信哉」が埼玉県在住の男性会社員の住民票を不正取得している疑いがあることが判明している。捜査関係者によると、96年に埼玉県所沢市のアジトに潜入していたころから行動を共にしていた両容疑者は、いずれも97年ごろから「櫻井」と名乗っており、この時期に何らかの方法で住民票を不正取得したとみられる。2人はその後、約10年にわたり同居していた。

 実在の「櫻井千鶴子」さんと「櫻井信哉」さんの2人に親戚関係は全くない。また、高橋容疑者に偽名を使われた実物の男性の妻の名前も「千鶴子」ではないという。捜査本部では夫婦を装うため、計画的に住民票を取得したとみて詳しい経緯を捜査している。

 高橋容疑者に住民票を勝手に使われた男性は取材に対し、「住民票は会社など信頼すべきところにしか提出していない」と話し、「なぜ悪用されたのか分からない。高橋容疑者には早く自首して罪を償ってほしい」と憤った表情。男性によると、95年か96年ごろに電車内で運転免許証などが入った財布をすられたことがあるが、3~4日後に現金が抜き取られた財布と免許証は発見されたという。






「櫻井千鶴子」も実在 住民票を不正取得か

 地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕されたオウム真理教元信者菊地直子容疑者(40)が偽名として使っていた「櫻井千鶴子」も実在する女性で、1997年ごろに菊地容疑者が住民票を不正に入手していた疑いがあることが7日、捜査関係者の話で分かった。

 菊地容疑者と約10年にわたり同居し、現在も逃亡を続けている元信者高橋克也容疑者(54)が「櫻井信哉」という埼玉県在住の男性の住民票を不正取得していた疑いがあることが既に判明。

 警視庁築地署捜査本部は、菊地、高橋両容疑者が夫婦を装うため、計画的に住民票を取得したとみて詳しい経緯を捜査している。

 捜査関係者によると、96年に埼玉県所沢市のアジトに潜伏していたころから行動を共にした両容疑者は、いずれも97年ごろから「櫻井」と名乗っており、この時期に何らかの方法で住民票を不正取得したとみられる。

 菊地容疑者が名乗っていた「櫻井千鶴子」という女性は当時、東京都新宿区に居住しており、高橋容疑者に住民票を不正取得された「櫻井信哉」という男性とは親戚関係などではないという。

 97年当時は区役所などで、運転免許証などの身分証明書を提示しなくても住民票を交付申請することが可能だった。

[ 2012年6月7日 23:51 ]





菊地容疑者偽名 「櫻井千鶴子」も実在 住民票不正入手 97年、都内に口座開設

2012年6月8日 朝刊
 一九九五年の地下鉄サリン事件で殺人容疑などで逮捕された元オウム真理教信者菊地直子容疑者(40)が九七年に、「櫻井千鶴子」の偽名を使い、口座を東京二十三区内の銀行の支店に開設していたことが捜査関係者への取材で分かった。口座には定期的な入金があったといい、警視庁捜査一課は菊地容疑者が定職に就いていたか、金銭的な支援を受けていた可能性があるとみて、入金元の特定を急いでいる。

 捜査関係者によると、九七年当時、菊地容疑者は、特別手配されて逃亡中の教団元幹部高橋克也容疑者(54)とともに川崎市内に潜伏していたとみられる。しかし、口座開設の際に銀行に届けられた住所は新宿区だった。

 捜査関係者によると、菊地容疑者は、新宿区で実在の「櫻井千鶴子」の住民票を不正に入手しており、その住民票が口座開設に利用された可能性があるという。口座の住所は後に新宿区から川崎市に移転登録された。

 口座は最近は入出金が少ないものの、一時期までは定期的な入金がある一方、出金もされていた。

 菊地容疑者は二〇〇五年十二月から横浜市内の物流センターで働いていたことが確認されているが、それ以前から定期的な収入を得ていた可能性が出てきた。





実在の「櫻井千鶴子」さん、不審な出来事なく教団とも無縁

 オウム真理教元信者の菊地容疑者に偽名を使われた、実在の「櫻井千鶴子」さんの親族女性が8日、取材に応じ、千鶴子さん本人が「いつどこで名前や住所を把握されたのか、分からない」と話していることを明かした。これまで不審な出来事はなく、オウム真理教とも無縁だという。

 親族女性によると、千鶴子さんは40代前半で、1998年に結婚、現在は別の姓になっている。菊地容疑者は97年ごろに「櫻井」と名乗るようになった。千鶴子さんは当時、東京都新宿区に住んでいたが、結婚を機に転出した。

 数日前、菊地容疑者が偽名を使っていたと報じられた際、千鶴子さんと電話で「同姓同名だね」と笑い合ったばかりという。
[ 2012年6月9日 06:00 ]






「櫻井千鶴子」も実在 なりすましはオウムの常套手段

産経新聞 6月8日(金)10時2分配信
オウム真理教特別手配容疑者の逃亡には、パートナーの支援があった。

 菊地直子(40)には、「オウムの菊地」と知りながら同棲(どうせい)を続けた高橋寛人(41)がいた。

 2人は平成19年から東京都町田市のアパートで同棲を開始。高橋寛人が家賃7万7千円を負担し、内装業の事務所兼用だった自宅で菊地に経理を任せた。22年12月には相模原市の一戸建てに引っ越し、経理の仕事を紹介した。

 福祉施設の男性従業員(37)は「2年前に施設の内装工事を高橋寛人さんにやってもらったとき、経理ができる人を探していると言ったら、紹介された」と話す。

 菊地は今年2月にホームヘルパーの資格も取り、同じ福祉施設で働いた。

 「一般的には女の方が逃亡しやすい。男を見つければ表に出なくて済むし、働く必要もない」。警視庁OBはそう話すが、高橋寛人は菊地を社会に溶け込ませる役割も果たしていた。

 その逆が、平田信(まこと)(47)だ。元信者の斎藤明美(49)が16年10カ月の逃亡を支えた。

 8年2月までの3カ月間は仙台市の割烹(かっぽう)店に住み込みで働き、ひそかに平田を寮に住まわせた。大阪府東大阪市に移ると、偽名を使って整体院で働き、自宅マンションに潜む平田の代わりに生活費を稼いだ。


 ▼9年から偽装

 菊地は高橋寛人と同棲する前の約10年間、高橋克也(54)と同居している。容疑者同士の組み合わせだ。9年から「櫻井千鶴子」「櫻井信哉」を名乗っていた。

 2人が一緒に逃げたのは8年11月。埼玉県所沢市から神奈川県に入り、新横浜駅や川崎駅周辺のホテルを転々とした後、9年に川崎市川崎区のアパートに落ち着いた。1DKの家賃は6万8千円。部屋は隣の建設会社が借り上げ、高橋克也は住み込みで働いた。

 平田を支援した斎藤と同じパターンだ。「住み込みが一番目立たない」。警察当局もこう考え、会社の寮や借り上げアパートを狙って行方を捜していたが、分からずじまいだった。

 13年7月には2DKで家賃10万3千円の同市幸区のアパートに転居した。菊地は17年12月から19年2月まで横浜市の倉庫会社で派遣社員として勤務。毎月約17万円を稼ぎ、高橋克也と夫婦を装っていた。


 ▼「常套手段」

 パートナーがつくり出した「死角」。さらに、高橋克也だけでなく、菊地も実在の人物になりすまし、住民票を不正に取得して「死角」を広げていた。

 高橋克也は幸区のアパートを借りる際「櫻井信哉」名義の住民票の写しと印鑑証明書を提出。口座開設にも悪用したとみられる。

 菊地が名乗っていた「櫻井千鶴子」という女性は当時、東京都新宿区に居住しており、高橋克也と菊地は同時期に何らかの方法で別々の「櫻井」の住民票を不正取得していた。

 「なりすましは、オウムの常套(じょうとう)手段」と捜査関係者は話す。8年6月には都内の会社社長が元社員になりすまし、区役所から印鑑登録カードを不正に取得。教団が長野県川上村の山林を購入する際、そのカードが不正使用された。

 いまや、高橋克也にはパートナーはいない。なりすましも発覚した。連日、写真や映像が公開され、足取りが確認されている。包囲網は狭まっている。(呼称略)

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