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2012/06/27

1号機の原子炉建屋地下で毎時10.3㏜を観測 「1号機は炉心損傷が最も深刻で、放射性物質が地下に多く流れ込んだ」

福島第一1号機、建屋内で過去最大の線量計測。


東京電力は27日、福島第一原子力発電所1号機の原子炉建屋地下で、建屋内では過去最大の放射線量となる毎時1万300ミリ・シーベルトを計測したと発表した。

 作業員の年間被曝(ひばく)限度である50ミリ・シーベルトにわずか約20秒で達し、約6分で嘔吐(おうと)などの急性症状が出る。廃炉に向け、建屋地下では汚染水の漏えい場所の特定や修復が必要だが、東電は「作業員が入れるレベルではなく、ロボットを使った難しい作業になる」と話す。

 計測は、配管が通る1階の貫通口から内視鏡と線量計を入れて実施。地下階には、格納容器下部の「圧力抑制室」があるが、カメラでは損傷は確認できなかった。汚染水の深さは約5メートルで、線量は地下階に入った段階で約30倍の毎時625ミリ・シーベルトにはね上がり、汚染水の水面近くで最高を記録した。2、3号機の建屋地下階の10倍以上の線量になる。東電は「1号機は炉心損傷が最も深刻で、放射性物質が地下に多く流れ込んだ」と分析する。 
(2012年6月27日23時03分  読売新聞)







1号機地下で10シーベルト超

 東京電力は27日、福島第1原発1号機の原子炉建屋地下1階にある圧力抑制室周辺を撮影した映像を公開した。汚染水がたまり、さびのような物が沈殿している様子が写っていたほか、付近の放射線量は最高で毎時10・3シーベルト(1万300ミリシーベルト)が計測された。圧力抑制室の破損の有無は分からなかった。

 東電によると、計測された放射線量は格納容器内を除けば、同原発ではこれまでの最高値で「人が入って作業をするのは非常に難しいレベル。遠隔操作で破損部分を確認したい」としている。2、3号機の同じ場所の線量に比べ10倍以上高い。10シーベルトは人が1時間浴びると高い確率で死亡する放射線量で、廃炉作業の難航が予想される。

 映像は26日に撮影。原子炉建屋1階から地下1階に貫通する5センチほどの隙間から内視鏡と温度計、線量計を挿入。原子炉格納容器につながる圧力抑制室がある「トーラス室」と呼ばれる空間で約40分にわたって撮影、データを計測した。

 トーラス室内には深さ約5・2メートルの水がたまっており、水温は32~37度。放射線量は水面付近が高く、水面の20センチ上で毎時10・3シーベルトだった。線量計は計測中に故障し、トーラス室の床面付近の線量は計測できなかった。

 床には赤茶けたさびのような物が沈殿し、水中でも浮遊しているのが目立った。水中では60センチ程度先までしか見通せなかった。東電は、津波や事故直後に行った海水による原子炉冷却の影響で、配管などの表面がさびたとみている。

 作業員の被ばく量を抑えるためトーラス室内の水を採取する時間がなかったが、東電は「計画を練り直して採水を実施したい」としている。(共同)

 [2012年6月27日23時16分]