押収したバッグの中から教団発行の書籍など10数冊押収。 松本死刑囚の著書である「マハーヤーナ・スートラ」「イニシエーション」など
2012年6月16日6時4分
高橋容疑者、教団の本所持 十数冊押収、今も帰依か
地下鉄サリン事件で特別手配され、１５日逮捕されたオウム真理教元信徒の高橋克也容疑者（５４）が、今月４日に川崎市内の潜伏先から逃走する際、教団発行の書籍十数冊を持っていたことが警視庁への取材でわかった。同庁は、教団に帰依する心を今も失っていない可能性が高いとみている。
警視庁によると、高橋容疑者は４日、市内の大型スーパーで購入したキャリーバッグを持って勤務先社員寮から逃走。逮捕後の供述から、ＪＲ鶴見駅西口の貸しロッカーに預けてあることが分かり、押収したバッグの中から教団発行の書籍十数冊や宗教関連の本１５冊程度を発見した。
教団元代表・松本智津夫（麻原彰晃）死刑囚（５７）＝地下鉄サリン事件の殺人罪などで確定＝の著作である「マハーヤーナ・スートラ」「イニシエーション」なども含まれていた。バッグは６日か７日にロッカーに預けたが、８日に警視庁がバッグの画像を公開したため、入れたままにしていたという。
高橋克也容疑者、いまだ洗脳中！？麻原本を１０冊超所持
１５日に逮捕されたオウム真理教元信者・高橋克也容疑者（５４）が、ＪＲ鶴見駅のコインロッカーに保管していたキャリーバッグの中から、十数冊の教団関連書籍が発見されたことが、捜査本部の調べで明らかになった。同本部は、高橋容疑者がいまだにオウム真理教の洗脳から抜け切れていない可能性があるとみて調べている。また、防犯カメラの映像などを次々に公開した異例の捜査が奏功、市民から集まった情報が逮捕につながったことに、警視庁関係者からは安堵（あんど）と感謝の声が上がった。
１７年間、逃走を続けていた高橋容疑者は、まだオウムと松本死刑囚を信じているのか―。高橋容疑者が逃走の際、持ち出したバッグから、オウム本が見つかっていたことが分かった。高橋容疑者は、姿を消す直前に購入した青い線が入った大きなキャリーバッグを持って４日に逃走。ＪＲ鶴見駅西口のコインロッカーに入れた。だが８日に警視庁がバッグの画像を公開すると持ち出すことができなくなった。ロッカーに追加料金を払って預け続けた。
警視庁は１５日夕、バッグを発見し、押収。その中から、オウム真理教関連本が十数冊見つかったという。松本死刑囚が教義について、教団創設初期に記した本などが含まれていた。預金通帳、印鑑もあったという。
逃走前まで生活していた寮の部屋には、神秘主義グループのリーダーで、８０年代に文化人類学者の中沢新一氏らが紹介し、オウム信者たちに影響を与えたとされるカルロス・カスタネダの著作が複数残されていた。防犯カメラの性能に関する書籍もあったが、オウム真理教関連の書籍は、残されていなかった。高橋容疑者は、逃走時に、手持ちの教団関連本をすべて持ち出していた可能性がある。
教義が深く心身にしみ込んでいてもおかしくない古参信者だった。高専を卒業後、コンピューター関連会社で働き始めた高橋容疑者。松本死刑囚が主催したヨガ教室と出会い、のめり込んだ。教団設立とほぼ同時期の８７年に出家。両親からは絶縁された。教団「諜報省」で、トップだった年下の井上嘉浩死刑囚の側近として、非合法活動に携わったとされる。オウム被害者の会会長のＶＸガス襲撃事件では実行犯だった疑いがある。
逮捕後、高橋容疑者は「世間を騒がせたことは間違いなく、すべては不徳の致すところ」と話しているという。
（2012年6月16日06時03分 スポーツ報知）
高橋容疑者、個室ビデオ店を転々 教団関連本10冊以上を所持
2012/6/16 0:50
地下鉄サリン事件の殺人容疑などで逮捕されたオウム真理教元幹部、高橋克也容疑者（54）が今月４日に川崎市の潜伏先から逃走した後、横浜市鶴見区や東京都大田区の大森地区や蒲田地区の個室ビデオ店を転々としながら逃走を続けていたことが15日、警視庁への取材で分かった。
警視庁によると、逮捕後の調べで現在の心境を問われた高橋容疑者は「ひと言では言えない。世間を騒がせてしまったことは間違いなく、すべて私の不徳のいたすところ」と話したという。
潜伏先から教団に関連する書籍10冊以上を持ち出していたことや、逃亡中に別の偽名を使ったとみられることも判明。警視庁は教団への信仰が続いていたとみて逃亡生活の実態を解明する。
警視庁によると、高橋容疑者は潜伏先から逃げる直前に買った大型バッグを「ＪＲ鶴見駅（横浜市）のコインロッカーに入れた」と供述。同庁は15日午後、供述通りにロッカーからバッグを押収した。
バッグには高橋容疑者が使っていた携帯電話や３口座分の預金通帳のほか、二十数冊の本が入っていた。うち10冊以上は元教団代表、松本智津夫死刑囚（麻原彰晃、57）が著者の「マハーヤーナ・スートラ」など教団に関連する本だった。
預金通帳は、高橋容疑者と元幹部、菊地直子容疑者（40）＝殺人容疑などで逮捕＝が逃亡中に偽名に使っていた「桜井」姓の名義が２口座。もう１つは「吉田利美」名義の口座だった。
高橋容疑者は逮捕時、「吉田新一」名義の眼鏡店のポイントカードも所持。逃亡直前に防犯カメラに映った際の銀縁の眼鏡でなく、逃走後に買ったとみられる太く黒っぽい縁の眼鏡を着用、「今までの眼鏡ではばれてしまうので逃げるために買った」と説明している。
逃走後は「個室ビデオ店でシャワーを浴び、捜査情報をテレビで確認していた。食事は主にファミリーレストランでしていた」と供述。土地勘のある川崎市周辺を転々としながら、本人確認が甘い個室ビデオ店に寝泊まりしていたとみられる。
さらに「逃走後、蒲田でビジネスバッグ、鶴見のデパートでボストンバッグを買った」と説明。15日午前にＪＲ蒲田駅近くの漫画喫茶で発見された際に持っていたビジネスバッグには現金436万円が入っていた。うち238万円は信用金庫で引き出した現金で、残る198万円は「働いてためた金」と話している。ほかに財布の中に現金約22万円が入っていた。
