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2012/04/24

バチカン、極右団体「聖ピオ10世会」総長ベルナール・フェレイ司教の回答を受け取る

「聖ピオ10世会」復帰への期待高まる

2012年04月24日10時24分
【CJC=東京】カトリック教会から破門扱いされている極右団体「聖ピオ10世会」のバチカン(ローマ教皇庁)との関係改善が現実的になってきた。

 同会創設者マルセル・ルフェーブル司教が、バチカンの承認なしに司教4人を叙階したことで、自動的に破門になったが、現教皇が教理省長官だった当時から関係改善が図られていた。

 「和解のための前提」が2011年9月、同会に提示され、会側は今年1月検討の結果をバチカンに回答したものの、教理省の検討を経て、ベネディクト16世は不十分と判断した。そして3月になって会側に問題点が示され、詳細な説明を求められていた。

 バチカンが発表したコミュニケは、「4月17日、教理省事務所で3月16日に行われた会合での要望に沿った聖ピオ10世会総長ベルナール・フェレイ司教の回答を受け取った。内容は裁判所の検討を経て、聖父(教皇)に判断を求める」と述べている。

 双方からの具体的な説明はないが、フェレイ司教の応答は前向きで、分離集団がローマとのコミュニオン(聖餐関係)に戻る途上にあるとする期待は高い、と見られている。



2011年06月21日06時13分

仏紙、バチカンと「聖ピオ10世会」の対話終了と報道 関係回復に期待

【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)と伝統主義者の修道会『聖ピオ10世会』との神学的対話が終了した模様、と仏紙『フィガロ』が6月17日報じた。同会が聖座との間に聖餐関係を回復するために行なわれた対話と見られるが、対話参加者は進展度合いについて沈黙を守っている。
 同紙は、沈黙が23年にわたる同会の破門に終止符を打つに至る重要段階に来たことを示すもの、と報じている。

 同会は、フランスのマルセル・ルフェーブル大司教によって1970年に創立された。典礼でのラテン語使用の厳守とトリエント・ミサ執行を主張、第二バチカン公会議以降の典礼改革を認めていない。

 88年、ルフェーブル大司教は聖座の認可なく同会司祭4人を司教に叙階した。事態を重視した教皇ヨハネ・パウロ2世は使徒的書簡『エクレジア・デイ』(神の教会)を発布、大司教の無認可叙階を非難した。

 一方で、同会と教皇庁との対話は継続され、2009年1月には教皇ベネディクト16世が同会所属司教の破門を取り消し、全メンバーが教会と完全な一致に速やかに戻るという期待を表明した。教皇は2007年7月に自発教令『スンモールム・ポンティフィクム』で、各教区において司教が、信徒の要望があった時に旧来のラテン語によるミサを許可する権限を与えており、同会との関係修復への道を開いている。

 同会のフランツ・シュミットバーガー神父は、『オプス・デイ』と似たような属人区を目指す、と語ったと独KNA通信は09年6月に報じている。





2011年11月01日11時49分

カトリック伝統主義者、「宗教者サミット」を批判

【CJC=東京】伊中部アッシジで、教皇ベネディクト16世が主宰した世界の宗教者代表の平和を祈り諸宗教の対話を目指す会合「宗教者サミット」について、カトリック教会の伝統主義者グループ「聖ピオ10世会」は、これほど多くの「虚偽宗教」指導者がそれぞれの「神」に祈るような会合を教皇が主催するとは、と会合を「冒涜的」と批判している。

 聖ピオ10世会は、今回の会議が引き起こした害悪を償うためには1000回ものミサを行なう、と言う。そして非カトリック者にカトリックへ改宗するよう呼び掛けた。
 
 聖ピオ10世会米国管区長のアーノー・ロスタン神父は、アッシジで行なわれた超宗教的な催しは「神の第1戒『わたしのほかに神があってはならない』に直接反するものだ」と非難した。そして米国の同会は信徒に対し、「特に現在盛んになっているエキュメニズム(一致)に反対する」信仰防衛のために祈るよう求めた。

 フランス管区長のレギス・ド・カッケリ神父もアッシジ会合を非難し「祖先が神の子を十字架につけ、三位一体の神を否定した祖先に忠実なユダヤ人といることを神が喜ばれる、という考えを誰が受け入れられるだろうか。その信奉者が絶えずキリスト者を迫害しているアラーへの祈りに、神が耳を傾けることがどうして出来ようか。神が異教徒、分離派、そして御子によって表わされた教会を否定した背教者の祈りを受け入れることがどうして出来ようか」とする声明を発表した。

 この激烈な声明が、聖ピオ10世会に対するバチカンの和解努力に水を差すことは必至と見られる。











陳胡痒さんのblogからサルベージ

▼仏紙、バチカンと「聖ピオ10世会」の対話終了と報道 関係回復に期待(クリスチャントゥディ)

聖ピオ10世会=カトリック極右ルフェーブル派です。

アウシュビッツのガス室はなかったでドイツで有罪判決を受けたウイリアムソン司教の破門取り消しで騒動になったのは記憶に新しいところです。

ル派は第二バチカン公会議後実質的に廃止状態にあったトリエントミサを固守する複数の修道会集団のことですが、神父を任命する霊的権能を持つ司教(12使徒から続く使徒の後継者)がいるのが現在は聖ピオ10世会だけであり、他の修道会も神父の新規養成をル派の神学校に依存しているため、バチカンがル派と関係正常化をするということは、その窓口は聖ピオ10世会ということになります。

ただし、対話が終了になったというなら、もうそれはとうぶん打ち切りということになったということだと思います。

その理由ですが、彼らは創設者であるルフェーブル大司教を破門したヨハネ・パウロ二世と、世界のカトリック教団内の左翼共産主義シンパ聖職者・信徒のアイドルになっているマザーテレサの列福に激怒しているからです。これだけでもパチカンとの関係正常化にはかなりの障害になっているというのに、バチカンはアッシジで再び諸宗教との平和集会を開催しようとしています。
カトリックの伝統的な教義では、カトリック教以外に宗教というものは存在しないからです。
カトリック以外のキリスト教は、プロテスタントや単性論者などの異端者か、ギリシァ正教のような離教者です。それ以外の仏教やイスラム教などは悪魔が作った淫祠邪教の輩なのです。

これは歴代の中華帝国が、中国以外に国は存在しない。従って外国などというものは存在しないから外務省という役所もいらない。中国以外は反乱国か属国であると言っていたような話です。

ルフェーブル大司教はカトリック原理主義者としてヨハネ・パウロ二世が開催したアッシジの諸宗教との平和集会に抗議しました。離教者や淫祠邪教の輩と、天主の地上代理人が一緒に祈るなどということをするなら、天罰が下るだろうというわけです。

そして確か癌で余命がいくばくもなかった彼は、カトリックの伝統的教義を守る自分の後継者の司教をバチカンの許可を得ずに任命しました。なぜなら、司教がいなければ、彼の思想を宣教する神父を任命することができないからです。

しかしバチカンの許可を得ない司教の任命は、中国の愛国教会などのように破門制裁の対象になってしまいますので、その後ルフェーブル大司教は地獄の黙示録のカーツ大佐のように、カトリック国の保守派・王党派・民族主義派と組んで勢力を拡大してゆくことになるわけです。

フランスのFNの熱心な支持者なんてル派シンパだらけです。

現法王は、これ以上彼らの勢力が拡大すると、世俗化で信者減少が続く先進国の既存のカトリック教団から信者が流出して、勢力が逆転してしまうのではないかと考え、彼らを取り込もうとしています。しかし、その一方で、今更カトリック以外に宗教は存在しないなどといったところで通用しない時代だという認識は持っているわけです。
難しいかじ取りです。

マザーテレサの列福については、ル派は別に彼女の修道会から直接被害を被ったわけではないのですが、ル派を破門した宿敵ヨハネ・パウロ二世と昵懇な間柄にあったカリスマ修道女であり、彼女が異教徒の貧乏人に対しても別け隔てなく接したことが彼らに問題視されています。

カトリックの伝統的教義では死にかけている貧乏人に対して、聖職者や修道者や信者が一番最初にしなければならないことは、彼らの看護ではなく、改宗させて洗礼を受けさせることです。なぜなら、そのまま死なせてしまったら、その貧乏人たちは間違いなく地獄に落ちてしまうからです。その反対に、死ぬ直前に洗礼を授けたら、間違いなく天国に行くことができると伝統的教義は教えます。

ですからル派の理屈では、カトリックの修道女なら、どうせ死ぬ人間に看護なんてして、肉体的苦しみを和らげている暇があるなら、洗礼を授ければよい、そうすれば天国で永遠に苦しみがない状態で生きることができるというわけです。

それなのに、あの異端のアカ修道女ときたら、ヒンズー教徒はヒンズー教徒のまま死なせて、あろうことかその宗教の様式で葬式までしやがった。これは中世なら火あぶり間違いなしの異端行為だ。そんな奴を列福なんてとんでもない、というわけです。
まぁどっちがマトモな精神をもった連中なのかは世論が決めるでしょう。

ちなみに、ル派のバチカンへの取り込みを図っている勢力がいわゆるバチカンの保守派神父官僚団ですが、麻生や山谷などのバックにいるのも彼らです。彼らは教義的保守という観点ではル派ほど徹底したものではありませんが、各国の王侯貴族や有力政治家、金持ちのカトリック信者の支持を受けている勢力といえるでしょう。

2011年6月23日 9:36