3月7日 16時2分
去年3月の巨大地震の揺れが、各地に広がったのとほぼ同時に、およそ80の別の地震が起きていたことが、専門家の解析で分かりました。
巨大地震の揺れによって、別の地震が誘発されたとみられています。
地震学が専門の京都大学防災研究所の宮澤理稔准教授は、全国およそ1500か所の、地震計のデータから、巨大地震直後の各地の地震活動を解析しました。
その結果、巨大地震の揺れが震源地から広がっていったおよそ15分間に、揺れが到達した各地で、およそ80の別の地震が起きていたことが分かりました。
ほとんどは、マグニチュード2前後の小さな地震でしたが、震源地からおよそ1300キロ離れた鹿児島県でも発生し、中には、マグニチュード4.7で震度4の揺れを観測する比較的規模の大きな地震も起きていました。
宮澤准教授は、巨大地震の地震波のうち、日本列島の地盤で遠くまで伝わりやすい20秒ほどの周期のゆっくりとした揺れが、別の地震を誘発した可能性があると指摘しています。
巨大地震の揺れが小規模の地震を引き起こした例は、8年前のスマトラ島沖地震などの際も確認されていましたが、これだけ多くの地震が広い範囲で確認されたのは、初めてだということです。
宮澤准教授は「地震が誘発された地域は、火山の周辺など、もともと地震活動が活発だったところが多く、揺れによって小さな力の変化が加わり、地震の発生が早められたと考えられる。今回の巨大地震の規模の大きさを示す結果だと言える」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120307/k10013547881000.html