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2012/03/08

【福島第1原発事故】 4月に避難区域を見直し 田村市、楢葉町、川内村はいきなり避難指示解除も

福島第1原発事故 避難区域、4月に放射線量により新たに3区域に見直しへ

福島第1原発事故にともなう避難区域は4月、放射線量によって新たに3つの区域に見直される。

FNNでは、対象となる市町村の区割り案の資料を入手した。

FNNが入手した資料によると、年間50ミリシーベルト(mSv)以上の帰還困難区域に該当する地域は赤、20ミリシーベルト以上の居住制限区域は黄色、20ミリシーベルト以下の避難指示解除準備区域は、緑や青で示されている。

政府は、航空モニタリングの結果をもとに、字単位で区割りする考え。

浪江町津島の福島第1原発から30kmのゲート付近では、震災から1年たつ今も、線量計は毎時3.3マイクロシーベルト(μSv)前後を差している。
ゲートから先は、モニタリングの地図上でいうと、帰還困難区域に該当する可能性がある。

浪江町では、山側と海側で放射線量が大きく異なり、同じ町内でも3つに分けられるなど、対象となる福島県の11市町村の多くが分断される可能性がある。

政府は、自治体や住民の意見をふまえたうえで、新たな避難区域を設定する方針。
(03/08 12:07 福島テレビ)




















2012年3月8日21時58分
即避難解除の選択提示 原発警戒区域の再編で国側


 東京電力福島第一原発事故の警戒区域などの再編をめぐり、国が被曝(ひばく)線量がおおむね年20ミリシーベルト以下の福島県田村市、楢葉町、川内村に対し、「避難指示解除準備区域」へ移行せず、いきなり避難指示を解除する選択もあるとの考えを提示したことがわかった。判断を委ねられた形の市町村側は、賠償で差が出ることなどを懸念し、慎重に判断するという。

 国は、現在の警戒区域などについて、線量が年20ミリシーベルト以下で、段階的帰還を目指す「避難指示解除準備区域」▽年20~50ミリシーベルトで、帰還まで数年かかる「居住制限区域」▽年50ミリシーベルト超で、5年以上は帰れない「帰還困難区域」――の3区分に再編する方針だ。

 国の原子力災害現地対策本部の幹部は今月、関係市町村の首長らと相次ぎ会談。4月以降に再編する考えを伝えた。



福島 避難区域で先行除染開始
3月8日 18時40分
原発事故で立ち入りが禁止されている福島県の避難区域で、今月末にも行われる区域の見直しを前に本格的な除染が道路などのインフラ設備を先行して始まり、8日、作業の様子が公開されました。

住民の帰還に向けて
国が、直接除染を行う福島県の警戒区域と計画的避難区域は、去年から効果的な方法を探るモデル事業などが行われていましたが、今月末にも住民の早期の帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」など3つの区域に見直されるのを前に、住民の生活に欠かせないインフラ設備を先行して、本格的な除染が始まりました。

除染は、11の市町村のうち、放射線量が比較的低い楢葉町から始まっていて、8日は町役場周辺の道路の除染が公開されました。

作業は、国の委託を受けた企業の作業員が高圧洗浄機を使って行い、路面から15センチほどに噴射口を近づけて水を噴射すると、放射性物質の量は8割ほど減ったことが確認されました。

また、富岡町を通る常磐自動車道の通行止めの区間では、除染作業を前に10メートル間隔で詳しい放射線量の調査が始まり、地表から1メートルの高さで1時間当たり4マイクロシーベルトから5マイクロシーベルトの数値が計測されました。

環境省福島除染対策チームの伊藤貴輝次長補佐は「除染を進めるスピードは遅くなってしまったが、今後は住民の方々の帰還に向けて迅速に作業を進めていきたい」と話していました。

避難区域の11の自治体のうち、楢葉町以外の6つの市町村でも除染に向けた準備が始まっていますが、地震や津波で大きな被害を受けた水道や電気などのライフラインの除染や復旧には時間がかかるうえ、住宅については避難中の住民の同意を得たうえで行うため、実際の除染作業が始まるのは夏以降になる見通しです。


インフラ設備の復旧が課題に
避難区域は、今月末にも見直しが行われ、放射線量が比較的低い地域は、住民の早期の帰宅を目指す「避難指示解除準備区域」になりますが、住民の帰宅を進めるうえでは、除染だけでなく、地震や津波で壊れたインフラ設備の復旧自体も大きな課題です。

このうち道路は、常磐自動車道以外にも各地で被害が出ており、除染が始まった楢葉町の町道だけでも、57か所、合わせて8キロの区間で路面の陥没やひび割れなどが起きています。

また、ライフラインは、被害が大きかった沿岸部を中心に復旧作業が進んでいません。

楢葉町では、上水道は被害が少なかったものの、下水道は海のすぐそばにあった処理施設の被害が大きく、復旧には2年ほどかかる見通しです。

また、電気については、被害状況の調査が先月ようやく始まりましたが、倒れた電柱の片づけや電線の整備に加え、各家庭ごとに屋内の設備の点検を行う必要があるため、復旧には数か月かかるということです。

楢葉町の青木洋建設課長は「警戒区域に設定され中に入ることができず、ようやく復旧に向けた動きが始まったばかりだ。住民の帰還までに、すべてのインフラを元に戻すことは難しいが、できるかぎり早い復旧を目指したい」と話しています。

自治体によっては、放射線量の高い地域については除染が進まないと被害状況の調査もできないというところがあり、国は除染作業とライフラインの復旧を連動させることで、住民の帰還につなげたいとしています。

 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120308/t10013584371000.html