【北京時事】中国の最高人民法院(最高裁)、最高人民検察院(最高検)、公安省は、廃油を再利用した「地溝油」(どぶ油)と呼ばれる有毒な粗悪油を加工・製造・販売するなどし、「国家や国民の利益に重大な損失を与えた」場合、最高で死刑を適用できるとした通知を公布した。公安省が24日発表した。
中国では、厨房(ちゅうぼう)の排水溝などにたまった廃食用油を違法に再加工した地溝油が「食用油」として、コスト減を図ろうとするレストランなどで流通。「食の安全」が問われる中、大きな社会問題となっている。
中国紙・法制日報によると、公安省は昨年8月以降、地溝油に関する犯罪取り締まりキャンペーンを展開。135件の事件を摘発し、800人近くを拘束した。(2012/02/24-17:11)
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2012022400733
2012年2月24日20時44分
どぶ油」製造・販売に死刑適用も 中国当局が発表
中国の最高人民法院(最高裁)、公安省などは24日、ゴミや廃油を原料とする「地溝油(どぶ油)」を製造、販売する犯罪に対し、最高で死刑を適用するとの通知を発表した。市民の間で深まる食への不信に、政府が威信をかけて取り組む姿勢を示すものだ。
通知は地溝油の生産・販売だけでなく、地溝油の疑いのある油を販売した犯罪にも、厳しい刑を科すよう定めた。悪質性や生産販売の規模などから「国家と人民の利益に重大な損失を与えた」と判断した場合は、死刑を適用する。
「地溝油」は、ラードなどの油分を含む生ゴミや廃油を集め、雑多な成分を取り除いた上で「食用油」として流通する有害な油を指す。各地で被害やうわさが絶えず、「政府への信頼にも影響する」(国務院食品安全委員会)として昨年、公安省が全国的に摘発を強化。8月以降、135件、800人を検挙した。(北京=林望)
中国、有害な廃油再利用で死刑も 「食の安全」確保に向け
2012.2.24 15:04
24日付の中国各紙によると、中国の最高人民法院(最高裁)と最高人民検察院(最高検)、公安省は関係部門に対し、食用油の廃油の再利用に関わる犯罪の最高刑を死刑にするとの通知を出した。
中国では食用油の廃油を再利用した有害な油が流通。コストを抑えたい飲食店などが使って社会問題化しており、当局が「食の安全」確保に向け、厳しく取り締まる姿勢を示した形。
通知では、人の健康に重大な危害を与えた場合などは、悪質さに応じて死刑を適用できると規定。また有害油の製造業者に製造場所や資金を提供するなど便宜を図った周辺関係者も共犯として扱う方針を示している。(共同)
地溝油(ちこうゆ)とは、中国で社会問題化している再生食用油のこと。工場などの排水溝や下水溝に溜まったクリーム状(あるいはスカム状)の油を濾過し、精製した安物の食用油脂。 日本では下水油(げすいあぶら)と紹介されることも多い。
製造方法 [編集]マンホールの蓋を開け、下水道内の黒く濁り、赤みを帯びたのり状の物体を掻き出す役割の者がおり、毎日一人当たり桶4杯くらいを収集する。それを一昼夜かけて濾過した後、加熱、沈殿、分離など複数の工程を経て、再生食用油に仕上げる。悪臭を放っていた物質は、これでほとんど無臭になるという。ただし新品の食用油に比較すれば、その色はどす黒く一目で判別できる。武漢工業学院教授の何東平[1]によると、1トンの地溝油にかかる費用は300元前後で、販売価格は通常のサラダ油の半額程度という。これらは、メーカー、生産者、生産日の3つがないため、中国では「三無商品(さんむしょうひん)」と呼ばれ、多くの需要がある。