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2012/01/07

中部電力浜岡原子力発電所沖の海底地形が千葉県の津波被害地のものとよく似ていることが判明

浜岡原発付近の海底地形、千葉津波被害地に酷似 東大地震研が分析
2012/1/7 22:27
 「南海トラフ」沿いの地震による巨大津波が懸念される中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)付近の海底地形が、東日本大震災で津波被害を受けた千葉県旭市近くの海底とよく似ていることが7日、東京大地震研究所の都司嘉宣准教授の分析で分かった。

 旭市は東日本大震災の津波で十数人の死者・行方不明者が出たほか、1960年や2010年のチリ地震でも津波が到達するなど繰り返し被害を受けた。海底地形により津波被害を受けやすくなっている可能性があり、浜岡原発の津波対策を巡って論議を呼びそうだ。


 都司准教授によると、浜岡原発近くの海底地形は岬付近の海底だけが遠浅で、沖に突き出す形になっており、その周縁は急激に深くなっている。海底の浅い部分が突き出ていることで、特定の場所に波が集中し、津波の高さが急激に増すことが考えられるという。

 旭市の飯岡地区は、東日本大震災で7.6メートル前後の津波が来たとみられる。海底地図を比較した結果、浜岡原発近くと同様に海底の浅い部分が突き出した形になっていたほか、付近の海岸線が直線的であるなどの共通点があった。

 都司准教授は「いずれの地形も津波のエネルギーが集まり、波が高くなりやすい」と話す。浜岡原発は津波想定で1854年の安政東海地震を参考にしているが、都司准教授は、1498年の明応東海地震では安政東海地震の3倍の高さの津波が押し寄せた可能性があると指摘している。

 都司准教授は国内の他の原発所在地も調査。東京電力福島第1原発のある福島県沖や、東北電力東通原発(青森県東通村)近辺沖の海底地形にもやや似た傾向があったといい、詳しい分析を続けている。

〔共同〕